「露骨なタイアップ映画」銀のエンゼル odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
露骨なタイアップ映画
北海道オホーツク斜里町のコンビニを舞台にした群像劇。
「銀のエンゼル」って題名から白銀の天使のような主人公が出てくるファンタジックなお話かと思ったらチョコボールの当たりのエンゼル・マークのことらしい。確かにチョコボールを毎日買いに来るお客がいるがそれだけのこと。森永とのタイアップかと思ったら本命はローソン、まるでローソンのPR映画のようだったが製作統括に新浪剛史社長の名があったので納得。
鈴井貴之監督のコンセプトは北海道出身者で北海道の映画を作ることのようで、小日向さんやTEAM-NACSの面々が演じている。今でこそ大泉洋さん、安田顕さんは有名ですが当時、TEAM-NACSはまだまだ北海道ローカルでの人気者でしたね。
プロットは難しい年頃の娘の扱いに窮する父親の葛藤を軸にローカル色の強いコンビニでのエピソードを交えた脱力系ドラマ、ストーリー性より登場人物のキャラに頼った演出です。
小日向さんは頼りない人の役ははまり役ですし、大泉洋さんは当時からわめきキャラ全開と唯我独尊状態。
年頃の娘が美大志望といってもムキムキの男性ヌードに執着とは気持ち悪いと思ったら安田顕さんのおふざけの為の前振りでした。
エピソードといっても、寒い地方からなのかバナナのチンを頼む客、暴走族かと不安がらせるが夜ごと店の前でダンスを踊るだけ、パチンコでとった煙草を返品とごねるキャバ譲とか他愛のないお話、停電の夜に消えた店の看板を点けろと言う無茶な客、小日向さんが決死の覚悟で看板によじ登り中の蛍光灯を替えたら点灯とは摩訶不思議、単にローソンの看板を大写しにしたかったタイアップシーンとしか思えませんね。
当たり目当てにチョコボールを毎日買いに来るスナックのママ(山口もえ)にデレデレなので不倫かと思ったが気を揉ませるだけ、同様に西島さんが店員では不釣り合いと思ったら逃亡者という設定、伏線めいたものはやたら張り巡らすが回収もせずいたって不親切。
テレビのバラエティ感覚で観る分には耐えられるかもしれませんが私には退屈でした。