「貴重なすっぴん姿を観ることができましたよ」理由 septakaさんの映画レビュー(感想・評価)
貴重なすっぴん姿を観ることができましたよ
貴重な、
宮崎あおいさんのすっぴんを観られます。
新人でとても初々しい、
多部未華子さん、寺島咲さんを観られます。
私にとっては、
伊藤歩さん、裕木奈江さんを観られたことがうれしかったです(笑顔)
◇ ◇
大好きな宮部みゆきさん原作。
大好きな大林宣彦さんが監督。
原作は既読です。
ただ、随分前に読んだせいか記憶はおぼろげ。
鑑賞後の感想からすると、
それが結果オーライにつながりました。
☆彡 ☆彡
なにこれ
ちょっと凄すぎない
ストーリー先がまったく読めないんですけど
オープニングとラスト、こうつなげるわけね
うわっ、やべぇ、一気に涙腺破裂しちゃったよ
1章、2章・・・
小説のような展開。
DVD特典映像を観ると
「映画化不可能と言われていたからこそ
原作に忠実に、原作通りに作ろうと思った」大林監督談
昨年暮れ『模倣犯』をもう一度
読んだばかりだったため、余計に
強く感じたのかもしれませんが、
映画というより、まるで文字でしたためられた
長編ミステリー小説を、1ページずつめくっているような錯覚に襲われました。
蒔かれた伏線を摘んでいく方法、
スピードが、小説を読んでいる
ときと似ているように思えたのです。
映画化するときって、
120分という尺を気にしすぎるのか
クライマックスだけが不自然なまで、
急激に盛り上がったり、逆に急スピードで
種明かしをしてしまう作品が見られます。
今作、160分と尺が長い
(それでも随分カットしたそうです)。
だから一人一人の人物の描きかただけでなく、
ストーリーの進むスピードも、登場人物107人という
ボリュームに適した、鑑賞しているお客様の理解速度を
十二分に考慮された、早すぎもせず遅すぎもしない、
実に最適かつ、巧妙な進行スピードに感じとれたのです。
◇ ◇
印象に残ったのは、
夕陽、朝日の美しさ。
特にラストに映し出される夕陽。
まるで空一面が真っ赤な血で覆われているかのよう。
美しくもあり、毒々しくもある。空のカットで心がやられたのなんて初めてだと思います。
役者は
伊藤歩さんが一番、胸に残りました。
〈 一生懸命な姿が綺麗でした 〉
〈 命綱のように赤ん坊を強く抱きかかえていました 〉
終盤の演技が圧巻です。
上のセリフが発せられた場面だけでなく、
赤ん坊を抱きかかえたまま自宅の電話前で
崩れ落ちていく姿。表情は見えないのですが、
背中だけで、気持ちをすべて表現しきっていました。
寺島咲さんも、
終盤の演技は神業ですね。
表情、仕草だけでなく、
大林監督の演出なのでしょうが、
そのときに履く靴、手に持つものに
極めて重要な意味が込められていると受け取りました。
そこで、涙腺が破裂しちゃったんですけどね。
☆彡 ☆彡
峰岸徹さん、
南田洋子さん、
山田辰夫さん、
心より、御冥福を申し上げます。
DVDでご覧になられるかた、
特典映像も是非ごらん下さい。
今作が完成されるまでの
舞台裏が細かい所まで映されています。
きっと他の映画を観る上でも参考になると思います。
宮部みゆきさんも
感激されたという今作。
原作ファンも納得する出来栄えではないでしょうか。
もし、機会があれば、ご覧下さい(笑顔)