「新海作品の源流とも言える」雲のむこう、約束の場所 白波さんの映画レビュー(感想・評価)
新海作品の源流とも言える
南北に分断された日本を舞台にしたSF青春劇。
新海誠監督の長編初作品でもあります。
まずこの作品を再びスクリーンで観れたことが本当に嬉しい。
Filmarksさん、本当にありがとうございます。
「ほしのこえ」で度肝を抜かれ、この「雲のむこう」で心を掴まれたのを覚えています。
その美術に音楽がとにかく美しい。
こうしてみると、やはり天門サウンドの方がしっくりきますね。
座組的に難しいかとも思いますが、やはりもう一度タッグを組んだ作品が観たいものです。
アートボードもですが細かい演出が好きなんですよね。
今もなんですが電車内の描写がすごくて、ここで観た金属を泳ぐような光の粒は本当驚きました。
キャストも役者である吉岡秀隆と萩原聖人の声がすごい自然でした。
個人的に吉岡秀隆の声質好きなんですよね。
脇を固めるのも石塚運昇と井上和彦が良い仕事してます。
その二人が一献傾けるシーンも大好き。
モデルの酒場も好きなので、とても印象深いんですよ。
またあくまで自分の中でですが、「君の名は」以前の新海作品では唯一のハッピーエンドだと思っています。
それと公開当時も思いましたが、本作を再構築したものが「君の名は」に繋がっているのでしょう。
同じパーツがいくつもあるし、夢の中での再開ではその光の形も同じでした。
そうして迎える静かなラスト。
エンドロールとともに流れる川嶋あいの声もすごいフィットしてました。
やはり初期の頃にある、なんとも言えない儚さや切なさも良いんですよね。
新海作品の源流とも言える、大好きな作品です。
コメントする