「意味不明のSF仕立て」雲のむこう、約束の場所 odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
意味不明のSF仕立て
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なんとも難解なSFアニメだが思春期の一途な恋愛ドラマの方が軸でしょう。
驚くほど独りよがりの新海ワールド、観客には理解より感覚に浸って欲しいと言わんばかりに説明を省略、謎は謎のままで話を進めるから画が綺麗だったとか音楽が良かったとかの感想に流れるのも無理はないでしょう。
ドイツのように分断統治というのは、第二次大戦の停戦間際にソ連が宣戦布告して北方から侵攻してきたのは紛れもない事実だから極めて現実めいた設定、日本の戦後史はどう変わったのか興味が募るのだが、映画では内地は変わったようには見えないし北海道はユニオンの塔しか描かれないから庶民の生活など伺う由もない、何の為の設定なのか理解に苦しむ。
巨大な塔というのは恐らく軍事目的だろうと推測したが並行宇宙とコンタクトする為というから意味不明、塔に近づいても変化なしパラレルワールドって何なのさ?、加えて佐由理の奇病も塔と関係するらしいがこれまた理解不能。ここまでぶっ飛んでいると中学生が廃材からジェット機を自作して飛ばす無茶さえ霞んでしまいました。
後年の「君の名は」も夢の連動を描いていますがSFっぽさとは一線を引き、巫女の神事を匂わせてファンタジーに寄せていましたが、そちらの方がベストフィット、本作での観客の反応を知って悔い改めたのでしょうかね・・。
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コバヤシマルさんのコメント
2023年5月20日
コメント失礼します。確かに、新海ワールド全開で観客は置いてけぼり恐ろしく美しい実験映像に綺麗なBGMと詩的な一人語りナレーションには、恐ろしくもありホラー映画の様な面白い作品でした。これが良い方向に修正されて、君の名はに違ったという所に共感しました。