Lifers ライファーズ 終身刑を超えて

劇場公開日:

解説

受刑者が300万人を超える米国には、10万人あまりのLifers(終身刑、もしくは無期刑受刑者)がいる。彼らは殺人や強盗などの深刻な犯罪を犯し、「更生不可能」というレッテルをはられた人びとであり、社会から忘れられた存在である。犯罪者の更生プログラム“AMITY(アミティ)”に参加しているライファーズの活動を追い、彼らが他の受刑者の更生に果たしている役割を見つめるドキュメンタリー。

2004年製作/91分/日本
配給:out of frame
劇場公開日:2004年10月9日

ストーリー

受刑者が300万人を超える米国。そこには、10万人あまりのLifers(終身刑、もしくは無期刑受刑者)たちが存在する。彼らは殺人や強盗などの深刻な犯罪を犯し、「更生不可能」というレッテルをはられた人びとであり、社会から忘れられた存在である。そんなLifersが参加している犯罪者の更生プログラム「AMITY(アミティ)」がある。カリフォルニア州、サンディエゴ郊外にあるRJドノバン刑務所。再犯率が他の刑務所と比べて3分の1も低いこのプログラムでは、約200人の参加受刑者たちが「自分がなぜ犯罪を犯すようになったのか」の問いに徹底的に向きあう。そして、それぞれが罪の償いを模索し、「どのような未来を生きたいか」というビジョンを作り上げていく。この中で、10名のLifersたちが受刑者の手本(ロールモデル)となってきた。殺人罪や強盗罪などで服役期間が30年になるLifersの一人、レイエス・オロスコが言う。「釈放されるかどうかが問題なのではなくて、受刑者である私たちは、自分の中に作り上げた『牢獄』から解き放たれる必要がある。たとえ刑務所から出られなくとも、変わるチャンスが与えられれば、今までの生き方にしがみつく必要なんてなくなる。それに、いつの日か出られるかもしれないという希望があれば、頑張り通せると思う」。これは、ロールモデルとなったレイエス自身が、他のLifersから教えられたことでもある。自らの罪をどう償い、そしてどう生き直すのかを、彼自身が問いながら、他の受刑者たちにも伝えようとしている。社会復帰施設に暮らす薬物依存の若者、保護観察中のアーティスト、弁護士をめざして大学で学ぶ少女、カウンセラーとして研修中の人々…。その多くは十代前半の頃から薬物に手を出し、他人に危害を加え、逮捕や服役を繰り返す「凶悪」な犯罪者だったという。しかし、カメラの目の前にいる彼ら/彼女らは、「凶悪」という言葉からは想像もつかないほど穏やかで優しい。「あなたが変わりたい、と思えるようになったきっかけは何だったの?」。そんな質問をどれぐらいの人に投げかけてきただろう。そして、彼/彼女らは決まってこう答える。「ライファーズのおかげだよ」。取り返しのつかない罪を犯してきたライファーズは、どんな思いで日々を暮らしているのだろう。そんな彼らから他の受刑者たちは、何を学ぶのだろう。アミティは刑務所の中でどのような活動をしているのだろう。塀の中で一生すごさねばならないかもしれないライファーズにとって、何が生きることの支えなのか? 彼らは被害者に対してどのような「償い」をしているのだろうか? そして、人は自分の中に作りあげた「牢獄」から、いかにして自由になれるのか?

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

監督
プロデューサー
坂上香
撮影
南幸男
音楽
ロジャー・スコット・クレイグ
録音
森英司
編集
坂上香
ナレーション
マヤ・ムーア
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