お父さんのバックドロップのレビュー・感想・評価
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子役の頃から神木隆之介と芦田愛菜は天使だ!
2004年の作品
初鑑賞
監督は『デトロイト・メタル・シティ』『体脂肪計タニタの社員食堂』『神様はバリにいる』『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』『私はいったい、何と闘っているのか』の李闘士男
脚本は『月はどっちに出ている』『愛を乞うひと』『OUT(2002)』『血と骨』『焼肉ドラゴン』の鄭義信
粗筋
大阪を拠点とするローカル団体「新世界プロレス」を引っ張る下田牛之助
客を呼べるスター選手はいない
客入りはしょぼい
故に団体運営は火の車
団体の金回りの全てを賄う菅原進の勧めでしぶしぶヒールに転向する
一方で牛之助の息子一雄は父もプロレスも嫌い
入学式にも運動会にも母が入院中も母が亡くなった日も現場に来ることはなくプロレスをやっていたからだ
転校した学校でも父親がプロレスラーだということはトップシークレット
しかし父親がヒールに転向し大暴れする姿でテレビに流れると学校の仲間の裏切りによって学校中に父がプロレスラーだということがバレてしまい虐められることに
怒った一雄は苛めっ子のリーダー格の男子の手を給食用のスプーンで刺してしまう
なんとか父と息子の絆を取り戻そうと四苦八苦する牛之助は世界空手チャンピオンとの異種格闘技戦に挑む
時代設定は80年代
神木隆之介くんの子役時代が眩しい
こんな可愛い小学生男子を他に知らない
何度か浜辺美波と共演したけど彼女に比べても当時の神木くんは可愛かった
今だって可愛いけどもうとっくに一人前の大人の男だし
浜辺美波より可愛いってことはないな
今でもいい勝負ではあるけど
原作者は中島らも
散髪屋として映画に出演している
この作品が公開直前に飲食店の階段から転落し頭を強打しそれが元で亡くなっている
友人のライブに飛び入り参加し打ち上げで泥酔していたのだろう
エレベーターがあればなあ
思えば惜しい人を亡くしたものだ
配役
新世界プロレスの下田牛之助に宇梶剛士
牛之助の息子で小4の下田一雄に神木隆之介
牛之助の父の下田松之助に南方英二
焼肉屋を営む金本英恵に南果歩
英恵の息子の金本哲夫に田中優貴
一年前亡くなった牛之助の妻の下田早苗に奥貫薫
アパートの家主の松岡カネに新屋英子
斉藤政夫にAKIRA
松山健にコング桑田
ドラゴン井上に荒谷清水
中島敦彦に清水哲郎
ボンバー志賀にシャドウWX
カミカゼ伊東に伊東竜二
松山の対戦レスラーに谷口裕一
レッドスコルピオにBADBOY非道
サンソラーロに山川竜司
レフェリーにバーブ佐々木
リングアナに村上☆健
ロベルト・カーマンにエヴェルトン・テイシェイラ
極真会館幹部に磯部清次
新日本プロレスの経理を担当している菅原進に生瀬勝久
新世界プロレス選手にアブドーラ小林
新世界プロレス選手に関本大介
新世界プロレス選手に井上勝正
新世界プロレス選手にみとし
新世界プロレス選手にアジヘイ
異種格闘技戦レフェリーに登坂栄児
キャバレーの客に川岡大次郎
キャバレーの客に薗部健
キャバレーの客に平野貴大
ホステスに渋谷里美
ホステスに玉田凛映
女子アナに平良千春
リングアナに榊英雄
実況アナに宇野和男
電気屋に笑福亭鶴瓶
散髪屋に中島らも
担任教師の馬場に筒井真理子
頑張るお父さんはかっこいい
原作既読。
よくもまあ、あの超短編をここまで広げてくれたものだと感心しました。脚本家ってすごいなぁと。原作のメッセージを最大限に引き出した見事な映画化。
まず子役時代の神木君ですよね。可愛すぎてたまらんのですよ。まさか20年後アカデミー賞受賞作品の主演を張ることになるなんて、当時は誰も思わなかったでしょうね。彼が画面に映るだけで癒されます。
宇梶さんも最高!悪役レスラーで暴れまくったかと思えば、息子と上手くいかず落ち込んじゃう、豪快だけど普通のお父さんという役柄を見事に演じております。息子との距離感は見ていて切なくなります。
今は亡き原作者、中島らもも出演してましたね。びっくり(・・;)セリフもあるし。違和感無く画面に溶け込んでいたので途中まで気づきませんでした。
ストーリーはどストレート。息子に頑張っている姿を見てほしい、父親らしいところを見せたい、そんな思いから命がけの無茶な行動に出る…。原作読んでるので分かってはいましたが、話の広げ方やキャラクターの掘り下げ方とかすごく丁寧に描かれているので泣いてしまいました。宇梶お父さんかっこいい!
あ、あと生瀬さんのキレ芸も最高でした!
祖父、父、息子と親子3代に渡る笑いと感動のバトル、98分1本勝負!
下田牛之助というネーミング自体が上田馬之助のパロディになっているので、他にも面白い名前がないかとあちこちに目を凝らしてみて・・・「あった、あった、丹下段平がいたよ!」と子どものように喜んでしまった(黒板の日直の名前も・・・見逃しました)。時代設定も1980年。プロレスの世界も全日本から新日本へと人気が移りつつあった時代で、政治の世界に喩えると二大政党論のようなものだった。バックドロップというタイトルも正統派ストロングスタイルレスラーの代表格である技だったように思う。
ストーリーも親子愛をテーマにしたスポーツものであり、『チャンプ』や『ロッキー』のように80年の辺りはそんな映画が多かった。ハリウッドではそうした父と息子の約束、尊敬できる父親を表現した映画はかなり多いが、日本映画では少ないと思う。家族の愛がなくなってきているかのような事件が多い現代で、こうした「父親=ヒーロー」映画は貴重だ!その他にも息子の学校でイジメに遭う様子や友情を取り戻す光景も良かった。
【2005年1月映画館にて】
大阪だからこそ生まれゆくリングの絆
見事、幕を閉じたロンドン五輪でメダル旋風を巻き起こしたレスリングつながりの映画をと、棚からDVD引っ張り出して、久々に観たけど、やっぱりオモロいなぁ〜。
劇場で観たのが7年も前やと思えないぐらい見応えが色褪せてない。
まあ、私が敬愛する物書き・天下の中島らも先生なんやからつまらんワケが無い。
(急死する直前の先生本人もウサン臭い床屋のおっさん役でゲスト出演している)
アルコール・薬物依存症、躁鬱病に苦しみながらも、深い人間観察とさり気なく温かい笑いで綴った文芸作品同様、最後まで心を鷲掴みにされ続けた。
中年レスラーのしょっぱいファイトぶりや大阪の下町人情etc.の笑いの部分、
必死に息子を振り向かせようとする父親のプライドや死んだ母親を未だ愛するがゆえに父親へ反発する息子の複雑な胸中etc.の泣かせる部分、
両方とも出しゃばらず、観る者を安心してストーリーへ導き、なおかつ大事な場面では確実にオトしてくれる。
特に、牛之助のオトンを演じているチャンバラトリオの南方英二師匠は、泣きと笑いの両極で味わい深い存在感を放つ。
異種格闘技戦のゴング前、意を決した牛之助がリング上で叫んだメッセージに、みんながジ〜〜ンとしている最中、すかさず投げかける師匠の呟きの絶妙なタイミングの素晴らしさ。
脱帽の一言である。
生ぬるい空気に浸かりっぱなしの静岡人が逆立ちしたって生まれてこない発想だ。
8年経た現在、師匠も先生も残念ながら鬼籍に入ってしまった。
此処にはもういない…。
しかし、入れ替わって走る神木隆之介の瑞々しい活躍が見事に師匠達のバトンを受け取っているみたいで感慨深い。
肝心の試合がおもいっきり『ロッキー』になっていたのが、オイオイって思ったけど、吉本新喜劇とは違う難波のエネルギーに圧倒される。
拍手を送り続けながら最後に短歌を一首
『向かう父 ぶつける背中の しょっぱさよ リングに叫ぶ セメントの愛』
by全竜
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