「【”悪役レスラーのお父さんは息子の信頼を取り戻すために最強総合格闘技チャンプと命懸けで戦った。そして・・。”今作は昭和の香り色濃く漂う少し沁みるプロレス映画なのである。】」お父さんのバックドロップ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”悪役レスラーのお父さんは息子の信頼を取り戻すために最強総合格闘技チャンプと命懸けで戦った。そして・・。”今作は昭和の香り色濃く漂う少し沁みるプロレス映画なのである。】
■1980年、大阪の下町。
中年プロレスラーである父親・牛之助(宇梶剛士)の仕事を恥ずかしく、且つ亡き母の最期にも来ず、授業参観や運動会にも来なかった事で小学生のカズオ(神木隆之介)は、父が嫌い。
牛之助が悪役に転向し、髪も金髪にした事で、父と息子の溝はさらに深まるようになり、牛之助は息子に本気で闘っている姿を見せようと、世界空手チャンピオン、カーマン(エヴェルトン・テイシェイラ)に無謀な挑戦状を叩きつけるのであった。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・ムッチャ、昭和の香りがするなあと思いながら観ていたら、ラストで1980年ということがカズオのモノローグで告げられる。成程。それにしても、神木隆之介さんの芸歴ってヤッパリ長いんだねえ、と何となくシミジミ。そして、とても利発そうなのである。
・宇梶剛士さんは、相当に頑張ったんだろうな。相手はエヴェルトン・テイシェイラだもんな。手加減はしているのだろうが、ファイティングシーンはナカナカでありました。
・中島らもさん(散髪屋で、何気に登場)の短編小説が原作という事だが、知らなかったなあ。傑作「今夜、すべてのバーで」など数冊しか読んでないもんな。お酒飲み過ぎで大丈夫かなあ、と思っていたらヤッパリ大丈夫じゃなかったよな。(合掌)
・それにしても、TVでプロレスってもう、放映しないけれども、今作の様な「新世界プロレス」みたいな、弱小プロレスってまだあるのかな。
昨年は「アイアンクロー」と「家出レスラー」を劇場で観たけれども、ヤッパリ、プロレスって色んな人間模様が垣間見えて好きなんだよね。
<お父さんの事が絶対に好きな焼き肉屋のお母さん(南果歩)と、ゴールイン!なんてことにはならずに、あの格好良いバックドロップシーンからの、「新世界プロレス」の皆で焼き肉屋でどんちゃん騒ぎをして終わるかと思ったら、カズオとテツの所に学校で揉めた男の子がやって来て仲直りをするシーンも良かったな。
カズオやテツ目線で描く方法も良かったかな。じゃーね。>