劇場公開日 2004年5月29日

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「なかなか深イイと思うのである。」下妻物語 ROKUxさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0なかなか深イイと思うのである。

2020年3月6日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

主人公の桃子(深田恭子)はゴーイングマイウェイな性格だが、その「流されない」人生にはちゃんとした「覚悟」のようなものがある。
そしてまた田舎ヤンキーのイチゴ(土屋アンナ)の過去も、これはこれで別にひとつの映画が撮れそうなほど深刻である。
この二人の女子高校生(少々トウが立った感は否めないが)を中心としてストーリーは進行していく。

桃子の父親(宮迫博之)のダメ人間っぷり、母親(篠原涼子)の「流される」生き方、過去ヤンキーであったらしい桃子の祖母(樹木希林)等々、脇役といえども登場人物がそれぞれしっかりと描かれ、物語の世界に広がりと奥行きが感じられる。

阿部サダヲや荒川良々の怪演も楽しい。

また、作品中何度も「ジャスコ」が出てくるのだが、田舎町とショッピングセンターの関係を象徴的に捉えていて、たいへん興味深かった。

作品としては、カメラ目線のモノローグもあったりして、いわゆるリアリズムの手法ではないから、嫌いな人は嫌いかも知れない。

幻惑的な色づかいや奇天烈な撮影手法で知られる中島監督だが、ストーリーは意外と人情ものである。これは、『パコと魔法の絵本』でも感じたことだ。

ROKUx