世界の中心で、愛をさけぶのレビュー・感想・評価
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純愛のブームで、悲劇を謳う
言わずと知れた純愛ブームのきっかけとなった“セカチュー”。
劇場で観て以来の鑑賞となるから、11年振り!
時が経つのは早いもんだ。
ブームも遥か昔に遠退き、もはや忘却の彼方になりつつある今、改めて見てみても、平凡な出来。ブームの真っ只中から少々冷めた目で見ていたが。
興行85億円のメガヒットは本当にブームだったからなんだなぁ、と。
さほど原作を読む習慣は無いが、本作は友達から借りて珍しく原作を読んでいた。
原作では高校時代のエピソードがほとんどだった気がするが、映画では現在と高校時代のエピソードが交錯。
大沢たかおと柴咲コウの現在パートが非常に退屈で、映画全体の足を引っ張ってしまっている。
原作に登場しない柴咲コウの映画オリジナルキャラの存在理由がイマイチ不明で、原作を絶賛していた人気女優も出演させて更なる話題とヒットを狙った商業作戦が見え見え。
やはり高校時代のエピソードがいい。
原作と違ってちょっとバカっぽい朔太郎役の森山未來の好演もさることながら、何と言っても長澤まさみ!
キュートでスタイルも良くて、瑞々しく儚い魅力はダイナマイト級!
平凡な男子とクラスのマドンナの恋という構図は、今流行りの少女漫画実写化と逆。
長澤まさみを大ブレイクさせた事が、本作最大の功労。
本作以降氾濫した号泣を誘う純愛映画。
死に別れ、成就出来ない愛こそ美しいとばかりに次から次へと作られ続けたが、あくまでそれはフィクションだから。現実だったらただの悲劇でしかない。
夢物語かもしれないが、今の少女漫画実写化の方がハッピーエンドだ。
悲しい純愛でしたが、それを共有して癒しと再生もありました
総合85点 ( ストーリー:85点|キャスト:85点|演出:85点|ビジュアル:75点|音楽:70点 )
まだまだ大人ではないからこそ、純粋な恋愛に集中してしまえる。じっくりと時間をかけて幼い二人の行方を描いてくれたからこそ、彼らのまじりっけの無い瑞々しく清らかな愛が伝わってきた。そして死んでしまったからこそ、その思いが美しいままにいつまでも残ってしまった。高校時代のそのような純愛の描き方の演出がかなり上手かったし作品中でも一番出来が良かったので、高校時代だけに集中した作品でも良かったのではないかという気もした。
でもいつまでも過去のことばかりにこだわらず、新しい彼女と新しい人生を切り開くために心のけじめをつけるための過去への旅を取り入れるというのもいいかとも同時に思った。これがあるから、二人で悲しい過去を共有しながらも再生と癒しがあるなと感じたから。それに映画としても、このような試みは単純な話に捻りを加えていて面白い。彼女が死にそう・死ぬという場面を中心に据えなかったのは正解かもしれない。
自分はテレビドラマを見ないので知らなかったが、映画の前にテレビドラマがあったらしい。それを知らないから、テレビ版と比較することなく先入観無しで素直に見ることができたのは良かった。テレビで流れていた、空港で「助けてください」と叫ぶ映画の宣伝を見て自分は「この映画はくさそう」と思って逆にひいていた。でも実際に見てみると、彼女の死を作品の結びにしなかったことでそのくささは感じなかった。それには登場人物たちの演技の良さにもよる。特に長澤まさみの、悲しく美しい思い出という以上の少女役は良かった。彼女の存在があったからこそこの物語は生きたと思う。
今世紀最高の映画
無理に複雑なストーリーにしてない?
2004年大ヒットした映画。今年の正月にテレビで放送したものを録画&鑑賞。大ヒットの映画でしたが、実は、いままで見たことが無かったんです。なるほど、そう言う話でしたか。興行収入85億円、観客動員数620万人を記録した、2004年の邦画No.1の映画。
既に言われていることだが、劇中の亜紀と同じ17歳である長澤まさみの演技は凄い。迫真の演技である。陳腐ではあるが、女性の命とも言われることもある髪を剃っての演技は真に迫る。
過去と現在を、行き来するストーリーとなってしまっているため、話が判り難い。導入部で現在を描くのは良いが、過去に行ったら過去のままと言うほうが、ストーリーが単純で、感情移入も容易であったであろう。しかし、前述のように、過去と現在を行き来しているため、意識が散漫になってしまった。高校の頃の話に絞って描いたほうが、話は悲しいんだけどなぁ。
これもよく言われていることだが、柴咲コウは、テレビ版の「世界の中心で、愛をさけぶ」の主題歌を歌っている。
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