劇場公開日 2004年5月8日

「純愛のブームで、悲劇を謳う」世界の中心で、愛をさけぶ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0純愛のブームで、悲劇を謳う

2015年2月8日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、映画館

泣ける

単純

萌える

言わずと知れた純愛ブームのきっかけとなった“セカチュー”。
劇場で観て以来の鑑賞となるから、11年振り!
時が経つのは早いもんだ。

ブームも遥か昔に遠退き、もはや忘却の彼方になりつつある今、改めて見てみても、平凡な出来。ブームの真っ只中から少々冷めた目で見ていたが。
興行85億円のメガヒットは本当にブームだったからなんだなぁ、と。

さほど原作を読む習慣は無いが、本作は友達から借りて珍しく原作を読んでいた。
原作では高校時代のエピソードがほとんどだった気がするが、映画では現在と高校時代のエピソードが交錯。
大沢たかおと柴咲コウの現在パートが非常に退屈で、映画全体の足を引っ張ってしまっている。
原作に登場しない柴咲コウの映画オリジナルキャラの存在理由がイマイチ不明で、原作を絶賛していた人気女優も出演させて更なる話題とヒットを狙った商業作戦が見え見え。

やはり高校時代のエピソードがいい。
原作と違ってちょっとバカっぽい朔太郎役の森山未來の好演もさることながら、何と言っても長澤まさみ!
キュートでスタイルも良くて、瑞々しく儚い魅力はダイナマイト級!
平凡な男子とクラスのマドンナの恋という構図は、今流行りの少女漫画実写化と逆。
長澤まさみを大ブレイクさせた事が、本作最大の功労。

本作以降氾濫した号泣を誘う純愛映画。
死に別れ、成就出来ない愛こそ美しいとばかりに次から次へと作られ続けたが、あくまでそれはフィクションだから。現実だったらただの悲劇でしかない。
夢物語かもしれないが、今の少女漫画実写化の方がハッピーエンドだ。

近大
グレシャムの法則さんのコメント
2022年7月11日

原作にないキャラだったのですか。
文字通り、蛇足でしたね😂
近大さんのレビューで腑に落ちました。
ありがとうございます。

グレシャムの法則
近大さんのコメント
2020年6月21日

巫女雷男さん

小説の帯に絶賛コメントを添えて、それがさらに人気の火付けになりましたね。
で、映画にも出演しましたが…、正直蛇足でした(>_<)

近大
2020年6月21日

割り込み失礼。
当時この小説はラジオで柴咲コウが絶賛して口コミになりヒット。
映画化した記憶があります。

巫女雷男
零式五二型さんのコメント
2020年6月21日

まさに仰る通り。
近大さん、見事な論評です。

零式五二型