「【”旧弊への細やかな小学生の抵抗” その町の少年は皆同じ蟹型だった・・、その名は”吉野刈り・・”と言われていた・・。】」バーバー吉野 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”旧弊への細やかな小学生の抵抗” その町の少年は皆同じ蟹型だった・・、その名は”吉野刈り・・”と言われていた・・。】
ー 荻上直子監督作に初めて触れたのは「かもめ食堂」であった。
当時、今でも在籍している世間的には一流企業として知られている会社の若手であった私は、月50H-100Hの残業をしていた。
仕事はとても面白かったが、残業代が100%支払われる事は無かった。
今では、明らかに労働基準法違反であるが、当時はそれが当たり前だったのである。
(ちなみに、今では完全なホワイト企業である。)
で、仕事に疲れた時に出会ったのが、上記の「かもめ食堂」である。
嵌った。
DVDを購入し、定期的に観ていた。
で、この監督の前作として、レンタルビデオ屋で借りて来たのが、今作である。ー
◆感想
・20年振りに鑑賞。
当時は笑いながら観ていたが、今作は明らかに荻上直子監督が、
”旧弊を是とする文化はオカシイでしょう!”
と言うメッセージを、コメディのオブラートに包んで描いている事が分かる。
・東京から転入してきた少年が、その土地の学校の同級生たちが皆、同じ髪型”吉野刈り”であることに疑問を持ち(そりゃ、そうだ!)自分は彼らと同じ髪型(文化)に染まらない様に抵抗する姿。
そして、旧弊を”仕方がない”と諦めていた少年たちが、“オカシイ!”と気付いて行く姿を、荻上監督はコミカルに描いている。
<そして、今作が良いのは少年たちの意識の変化に対し、自らの信念を押し通す事無く、柔軟に対応する優しき”バーバー吉野”の女主(もたいまさこ)の姿である。
荻上直子監督の長編デビュー作ながら、このレベルの高さ。
「彼らが本気で編む時は」以来、新作を公開されていないが、気長に待っていますよ。>
かもめ食堂より前の作品なのですか!!
びっくりしました。
20年くらい前ということですね。
娘ともども めがね、プール、が大好きで次女は与論島に行く程ハマっています。
新作とは思いませんでしたがそんなに前の物とは認識せずに鑑賞しました。