ホテル ビーナスのレビュー・感想・評価
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草彅剛の為に作られた作品
公開当時に映画館で鑑賞。
この度リバイバル上映を堪能した。
この映画の公開当時は韓流ブームで韓国の映画も沢山日本に入ってきた。
韓国の映画はグロテスクな描写が多く、話の内容も近親相姦や記憶喪失がテンプレート化していた。
日本が制作して、全編韓国語の台詞回しで、日米韓の俳優が起用されている、珍しい俳優構成の映画だった。
インターナショナルな映画を作らせると安っぽく、コントのようになるかと危惧していたが、全編ほぼモノクロで撮影した事で違和感を中和している。
劇中歌のLOVE PSYCHEDELICOもお洒落感とストーリーの区切りを演出。
俳優に合わせた脚本、配役、演出が見事に重なって、草彅剛の代表作と言っても過言ではない今作。
草彅剛をプロデュースしているマネージャーの敏腕さが分かる。
こんなにタレントのことを考え、育て上げ、表舞台に立たせるって。
俳優と肩を並べるには、タップダンスや韓国語やスタイルが必要だった。
今やれる精一杯を出し切って俳優と肩を並べ、その後の俳優草彅剛を形作った、間違いなくきっかけとなった作品。
一見の価値ありです。
是非、劇場でお楽しみください。
デスペラード♪
小粒ながらまとまった群像劇。1号室は酒に溺れたドクターと元看護婦のワイフ、3号室には花屋開業を夢見るソーダ、4号室には殺し屋を目指すボウイ。傷ついた者同士が立ち直る姿、それがそのホテルを立ち去る過程に一致する。誰かが立ち直れば、他の者が扉を閉じる。それに触発されてか、他の者がまた立ち直る。そして、天使のように背中に羽根が生えるという喩えは綺麗にまとめていました。
面白いのはボウイの人殺しの第一号。強い人間になるためにはどうすればいいかと、一人で考え抜いて答えを出したこと。これだけは納得です。
しかし、ラスト以外の全編モノトーン映像、これには若干色がついていて、パートカラーとなって意味を持つ伏線かと思っていたら、何も意味が無いようだった。映像だけはもっと練ってもらいたかった。。。音楽は「デスペラード」が良かった。イーグルスの原曲を使用すると1000万円かかるので止めたんだってさ・・・高いね。
草なぎくんの演技はやっぱりいいよ。
なぜ、全編韓国語?というのはあるんだけれども、映像としてのスタイルで貫き通したいことはなんとなくわかった。
でも、それほど面白くはないストーリーなんだけれども、草なぎくんの演技は良かったな。なんか、自然なんだけど、人の悲しさとか、やさしさとかをそのまま飾らずに表現できる人だと思う。
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