ヴァイブレータのレビュー・感想・評価
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主人公のモノローグ“いいものになった気が…”に理解が及ばず、そしてキネ旬の選定にも…
キネマ旬報で、56人の審査員の内、
6名の方が第1位に推挙しての第3位選出と
いうことや、たくさんの映画祭で高評価を
受けた作品ということもあり初鑑賞した。
しかし、私にはなんとも理解の及ばない鑑賞
となってしまった。
実はこの少し前に「サード」という作品を
観たのだが、
見えないまま走る続ける主人公にとっての
見失った人生の目標なり目的なりの象徴
としてホームベースを捉えたのだが、
この作品における男女二人にも
同じ匂いを感じた。
しかし、「サード」の主人公達とは異なり、
この作品では30歳前後という
社会人として脂の乗り始めているはずの
年齢設定なのだが、
二人ともフリーのルポライターだったり、
やはりフリーのトラックドライバーだったり
と、家族の気配も感じない孤独感が際立ち、
そこに彼らの自由だからこその
不自由さも感じた。
そんな中、幻聴に悩まされる
アルコール依存症とは言え、
コンビニでたまたま見掛けたトラック運転手
に同行して男女の関係に至るライターという
設定は、私にはリアリティを感じ難く、
作品の中にも入り難かった。
終盤になって、特異なように見える
それぞれの境遇と二人の結び付きは、
実は決して稀なケースでは無いのかも、
との思いも擡げてきたものの、
しかし、それでも二人の肌の触れ合いは
一時の安らぎにしか感じられず、
字幕スーパーで出た彼女のモノローグ
“いいものになった気が…”には
理解が及ばなかった。
そして、合わせて、キネ旬の選定にも。
すこしだけいいものになった
【”彼を食べて、彼に食べられた。”孤独な男女の長距離トラックロードムービーであり、お互いが心を癒し合う恋愛物語。寺島しのぶ演じる心の揺れに悩まされる女と大森南朋の確かなる演技に引き込まれる作品。】
ー ご存じのように、廣木隆一監督は、青春映画を多数撮っているが、今作後も瀧内公美さん主演の「彼女の人生は間違いじゃない」など、社会派作品の監督を務めたりする多彩な作品を作り上げる監督である。-
■自分の頭の中で聞こえる「声」に悩まされ、不眠や過食、食べ吐きを繰り返していたアルコール依存症の自称ルポライター・レイ(寺島しのぶ)。
ある雪の夜、コンビニでひとりの若い男(大森南朋)に目を留めた彼女は、「彼を食べたい」という直思いに駆られ、男の4Tトラックに同乗し冬の町へ向かう。
◆感想<Caution! 内容に触れています。>
・トラックの中で交わす何気ない二人の会話が、何とも言えず良い。男は妻子がおり、ストーカーに付きまとわれて困っているとか、無線で他のトラックドライバーと遣り取りをする。
ー 男を演じた大森南朋さんの、飄々とした自然体の演技が良い。彼はレイが吐きたいと言った時にも、彼女を降ろすことなく窓から吐しゃする彼女の姿には気も留めずにトラックを走らせるのである。-
・レイの揺れる心の想いが縦書きテロップで流れたり、頭の中に流れる”誰かの声”の使い方も上手い。
■二人が、トラックでラブホテルに入り一緒に入浴するシーンは何故か心に響く。男が愛おし気に女の身体を抱きしめるシーン。彼女の心の声も語っているが、優しい男なのである。
そして、翌日二人が食堂で食事を摂るシーンも良い。男は食事を口にしないレイに”食べなよ。”と声を掛け、”吐いちゃうから。”と言うレイに”トラックの中でなければ良いよ。”と言うシーン。その言葉を聞き、レイは割り箸を取り味噌汁を静に口に含むのである。
そして、男は自分に妻子も居ないし、ストーカーも居ない事をアッサリと認めるのである。
■そして、男はレイに”トラック運転してみる?”と聞き、丁寧に助手席から彼女に指示するシーン。
それまで見せなかった満面の笑顔を浮かべ”凄い!”と喜ぶレイ。彼女にはそれまで頭の中に流れていた「声」は聞こえてこない。
<今作は、孤独な心を持った男女の長距離トラックロードムービーであり、お互いが心を癒し合う、恋愛物語でもある。
寺島しのぶと、大森南朋の確かなる演技が、この作品の風合を善きものにしている事は間違いないであろう作品でもある。>
大森さんは好きだったのだけれど
退屈。。。
当時どハマりした大森南朋を思い出して、久々に見直してみた。 ガッツ...
エロいだけかと思ったら
生身のヴァイブレータ =男 …ですな
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