海がきこえるのレビュー・感想・評価
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映画館で観れて幸い
私、ジブリ作品がちょっと苦手なのですが本作品はジブリ色(メルヘン、芸能人で固めた豪華声優陣)控えめなせいか“これなら観れる”という事で今回のリバイバルで初めて観ました。
なんか刺さるストーリーでワガママ里伽子は女の子あるあるですね。それに振り回される拓くんが青春だね。若い時て相手の言動を間に受けてムキになってしまう痛い時期ですな。
制作は若手のみで作られたそうですが
“嘘やろ、レベル高すぎ!”
豆粒ぐらい人物の動きにも手抜きがないし、
公衆電話のぐるぐる線まで動かしてる。
何気なく停泊している帆船の揺れも心憎い。
実写を意識した画作りは後年のガイナックス「新世紀エヴァンゲリオン」に先行した試みなのでしょうか。
キャラ作りも怒りへと向かう表情なんか、なかなかできないですね。ジブリのアニメーターて演者でもあるのですね。
キャラクターデザイン・作画監督は近藤勝也さんか、やっぱり上手いなぁ。
里伽子のお父さんは眼鏡かけたサラリーマン風の人をイメージしたが、いい意味で裏切られました。
なんかリアルで本当こんな人、成城にいそうです。
松野役の声優上手いなぁとエンドロール見たら関俊彦さんが演じてるのか(機動戦士ガンダムSEEDのクルーゼ隊長)
音楽も良かったし古さを感じさせない、いい映画でした。結局ジブリの凄さを見せつけられたか・・・。
海外受けするトトロやポニョもいいんですが、こういう作品に、もっと光を当ててほしいです。
学園祭に「紅の豚」のポルコが座っているアニメーターの遊びに思わず吹き出してしまいました。
現代社会に刺さる。特に現役世代必見。学生も今観ておくと人生に生きると思う。
30代になって人生で初めて観たけど、これはジブリのダークホースですわ。
男女関係について、男は包容力、女は白馬の王子様から卒業できるか・自分を客観的に見られるか、が重要というか幸せの秘訣だと思うんだが、それを見事に描いている。
一旦、リアル世界の話になるが、さっき言った「男は包容力、女は白馬の王子様から卒業できるか・自分を客観的に見られるか」を実現するのは男女共にしんどいこと。
男側の話からだが、悪い意味じゃなく、女性はワガママで感情的な生き物。それを、冷静に分析する理論的な男が受け止めるのは難しい。
でも直感でもいいから、この人なら受け止めてあげたい、信じようと思えるのが第一段階。
実際にワガママ言われまくったり、感情的にぶつかってこられても、最後まで信じ続けられるか、時には自分の感情をぶつけられるか(もちろん行きすぎはダメ)が第二段階。
ただただ受け止め続けるだけでもダメ。それじゃあただの都合の良い男。そしてチャラ男に負ける。たまには愛を持って感情をぶつけることが大事。
時間かかってもここを共に超えられる女性は本物。
女側からすれば、ワガママは言ってみたほうがよい。男に対してムカつくことや言いたいこともたくさんあるだろう。言ってやれば良い。逆に言わないとそいつが良い男かはわからない。
そうやって感情ぶちまけたり、ワガママ言っても受け止めたり、時には感情ぶつけてくれる男は本物。
で、ここで注意点。表面的にはそうやって受け止めて向き合ってくれる男は多い。けど、そこにはチャラ男やら良くない男が潜んでいる。
見分けるポイントは、男側も「愛ゆえに(これ重要)」感情をぶつけたり、たまには耳が痛いことも言ってくれるか否か。
チャラ男やDV男は常に口が上手かったり子供みたいに怒るだけだし、ただ優しいだけの男は「愛として感情をぶつける」ことができない。
で、男女関係で壁に当たった時、他に「良さげな男」はごまんといる。白馬の王子様を求め始めたらキリはない。誰にでも欠点やぶつかることはあるんだから。そこで、感情で判断しない。一回乗り換えて後から見返しても良いけど。とにかく、簡単には「はい次〜」をしない。
以上、ボキャブラリーないからうまく言語化できてるかわからないけど、男女とも現物で勉強してくださいな(笑)。
でまあ、作品の話に戻るが、本作は今言ったことを見事に描いている。感服した。
男女共に、本作の異性や同性にムカついてるようではまだまだ。あなたも同じ穴の狢ですよ。だからムカつくの。
大人の階段登れた人には「そんなころもあったな」と、とたんに甘酸っぱく思えるはず。
特に現代社会は晩婚化と言われ、以前より結婚や恋愛に踏み切ることも難しい。
それは、なんでも正しさが求められたり、離婚が当たり前になったり、女性の活躍が当たり前になったり、逆に女尊男卑とか、いやいや男尊女卑だろとか、異性がディスカウントされる風潮のせいもある。
そんなギスギスした世の中の恋愛事情に、1石を投じる内容。ちょっと古いけど、それが良いんですよ。原点に立ち返ることも大事。人間関係を客観的に見ることも大事。
もうねぇ、学生〜現役世代にこそ見てほしい。
学生はまだ深くはわからないだろうけど糧にはなるし、描かれたファッションや文化に、今流行りのレトロやらエモさを感じられるはず。
現役世代でもがいている人には、単純に刺さるんじゃないかな。大人になれてないと、ムカついて終わりかもしれないが。
人生、男は「ボーイからマンになれるか」、女は一通りワガママ言いまくって感情ぶつけて、でも最後には「自分の見ていた世界が狭かったな」と思えるかが大事なんよ。これキーワード(原作含む)。
ぜひ視聴して、それを感じてほしい!
まだ感じられないかもしれないが、それも糧になる。
流れで原作も読んだけど、原作もいいよ!2部作だよ!
スタジオ・ジブリっぽくない青春アニメ
スタジオジブリにこんな作品があるとは知らなかったが、鑑賞して思っていたよりも良かった。ストーリーはよくある設定だが、当時の時代背景もよく描けていたし見事。舞台は高知と東京だが、特に吉祥寺の描き方が見事。ラストシーンの続きが観たくなった。大人になった武藤さんが杜崎君と久々に会ったらどうだっただろう。
刺さらなかったな…
ジジイになった今だからこそ…星四つwww
`93年にテレビ放送された作品だそうですね。その当時の暮らしやファッション、町の風景を忠実に拾い上げていて、とても懐かしく観ることができました。
でも、自分がリアルタイムでこの映画を観ていたら、今日とは全然違う印象を持っただろうとも思います。
あの頃より相当丸くなったはずの私が観ても、冒頭から続くヒロインのあまりの自己中ぶりには腹が立ちました。「なんじゃ、コイツ?」と思わず声に出してしまった。これが主人公たちと近い年齢だったなら、きっと彼女を受け入れられなかったでしょう。彼女の抱える事情を考えたとしても。そして、そんな彼女を許して何かと巻き込まれていく主人公の包容力さえも、「アホウ」の一言で片づけたんじゃないかなあ。
それなりに年を取った今だから、彼女たちを我が子や孫を見るような目で見られたのかも。最初こそ戸惑いましたが、物語の終盤には、二人とその仲間たちをすっかり気に入っていました。
修学旅行がハワイだなんて、バブルが弾けた後でもあの頃はまだ余裕があったんだな。今はどこへ行くんだろう? 当時の「お受験勝ち組」の暮らしぶりに、今の子どもたちはどんな反応を見せるのかな?
世代や環境、立場の違いでいろいろな感想が出てきそうな映画です。この作品を観た様々な人たちと、感想を語りたくなりました。
氷室冴子先生の名作を上手くまとめている良作
まず、劇場でこの作品を観れることに感謝します。
この作品は氷室冴子先生の同名の小説が原作ですがボリュームある内容を上手くまとめている青春恋愛ものです。ちなみに小説は大学生時代を描く続編の海がきこえる2アイがあるからもありますがこちらもとても面白いです。
音楽は永田充氏が担当しておりシンプルでありながら印象的な楽曲は耳に残ります。サントラも発売されていますが、その中で永田氏は素朴さや暖かみを表現したとおっしゃっています。
全てが30年前の平成一桁年代のその時代が舞台ですが、当時の高校生・大学生のそのままの様子が丁寧に描かれています。一部、現実的な、法的な視点で批判的な意見を見かけますが、お門違いというか、それを言ったら世の中の全ての小説は世に出せなくなりますよと言ってあげたいです。もしくは、それらにめくじらを立てるなら世界の全てのエンタメは見ないほうがいいです。ちなみに原作にはそれらの描写はしっかりとあります。1990年代のはなしですよ?
氷室冴子先生のこの原作は一人称が同じく僕で、男性視点での物語でありながらかなりライトなタッチで進んでゆき、ボリュームがあるのにスピーディーさがあるので一気に読み切ることができ、この映画もその良さを考慮していると思います。約70分に収めているため、あちらこちらエピソードカットはありますが気にならない範囲内です。良いエピソードもあるので是非原作を読んで欲しいと思います。
最後に、高校生の青春恋愛ものと言ってしまえばそれまでですが、他には見られないさわやかさを感じる作品ですのでおすすめです。絵も綺麗に柔らかく描かれています。ジブリ作品ではありますが、良い意味で巨匠色に染まっていないと思います。
20〜30年早かった映画
ビデオでしか見たことがなく、リバイバル上映が話題にもなっていたので改めて鑑賞。
印象は変わるかなと思っていたけど、さほど変わりなく、今となっては舞台となる時代は古いものの、普遍性を持った映画だったんだなと再認識した。だからこそかもしれないが、今の時代にその普遍性が刺さるのかもしれない。シティポップが見直される構図と似ている。
演出はところどころアラはあるものの、印象的なシーンやカットが多く、主人公のモノローグも相まって、構成要素としては新海作品と同じじゃないかと妙な逆転した発見もあった。
ストーリー自体はそもそも賛否があるので、絶賛とまでは言いづらいが、田舎から上京した自分と重なる記憶もあり、瑞々しさや感傷的なところはすごく共感してしまった。これは初見の時もそう思った。
少し脱線するが、今見てもスタッフはすごい面々で、こういった作品をスタジオとして定期的に作り続けることがてきたなら、スタジオジブリはビッグネームに頼ることなく次々と"ジブリらしい"作品を作り続ける制作スタジオになれたかもしれない。
演出が原作の味を生かせてない
ひとことで言うと、演出がダメ。
とくに女性の声が軒並み甲高く平板な一本調子で、
ニュアンスなんてあったもんじゃない。
だから、
ヒロイン武藤里伽子(むとうりかこ)の危うい魅力が全然伝わらない。
里伽子の声だけでなく、主人公・杜崎拓(もりさきたく)の母親の声も、
原作で「悟りきったように言った」とか「優しい口ぶりだった」とあるところまで
甲高い声の一本調子であるところを見ると、
これは演技の問題ではなく、演出の問題だと言い切っていいだろう。
おまけに、
大事な台詞につまらんBGMをかぶせて引き立たなくしたりしてるし。
それから、
台詞はだいたい原作を踏襲しているものの、
肝心なところによけいなステレオタイプを持ち込んだがために
ありきたりな展開になっちゃってるところがあって残念。
とくに最初と最後。
吉祥寺駅でばったり再会、なんていうご都合主義は、原作にはない。
特殊な因縁で結ばれてた、なんて話じゃないんだから。
しかも、
大学に入った時点で里伽子の家庭の問題は何も解決しておらず、
修羅場はこれからなのである。
それを、都合よく安っぽくまとめてしまった。
あと、映画では、
高校3年生がGWに男女で東京へ行ったことが学校にバレてなくって、
だから親子で呼び出しを食らうこともなく、
それゆえ拓の母親と里伽子の母親が呼び出された学校で会うこともなく
(原作では母2人が、いきり立つ教師の毒気を抜くんである)
同級生の噂話だけで終わったというのも、なんかつまらん。
とにかく全体的に、
原作から出汁の旨みを抜いて
砂糖をまぶしちゃった感。
原作が面白いだけに、残念至極。
なにもかも癇に障る
2025年劇場鑑賞208本目。
エンドロール後映像無し。
昔テレビで見たはずだけど、なにせ昔なので全く覚えてませんでした。なんか恋愛映画だったかなくらい。時間合わず後回しにしてきましたが、鬼滅のおかげで今週他に観るものなく、無事鑑賞。
リマスターかと思ったら昔ながらの画質で大丈夫かな、と思いましたが(鬼滅の後なのでなおさら)まぁそれは慣れます。
本日2度目の関俊彦だ、と思ったまでは良かったのですが、声優の演技、特に女性陣の演技がどうも素人くさいと言いますか、ジブリ映画で声優使わないみたいなところの悪い所が出てる感じ。後音楽もなんかクセのあるメロディ、女性陣の性格が意地悪な人多い、主人公と親友とヒロインの関係がモヤつく、極めつけは未成年の飲み会、喫煙です。これがテレビで再放送されない原因の一つと聞いています。もう一つは短さらしいですが。
確かに昭和の大学生は未成年でも大学生になった瞬間飲酒喫煙する風土がありましたし、高校卒業の打ち上げ会ですでに居酒屋を予約して、店も断らない感じでした。自分はバレて捕まらなきゃ法律破っていいという卑怯な考えが大嫌いなので、法定速度もきっちり守るタイプだから、この飲み会に参加した時も黙認までが妥協点で、一滴も飲みませんでした。そういう昭和の嫌な所も思い出したので癇に障りましたね。
最後もなんじゃそりゃと思いました。某大ヒットアニメとほぼ同じシチュエーションでこうも印象が違うのかと思いましたね。
自分でも気が付かない恋心だったとしても、それなりの説得力が欲しかった
大学生の主人公が、高校時代のほろ苦い「恋」を思い出す物語なのに、ヒロインに魅力が感じられないのは、ラブストーリーとして致命的ではないだろうか?
ヒロインは、美人で、成績が良く、運動もできるのだが、引越してきた高知のことを見下していて、クラスメイトとの協調性もなく、相手の親切心に付け込んで、いいように利用する姿を見るにつけ、気位が高く、自己中心的な性格の持ち主であるとしか思えない。
いくら、主人公が、彼女と一緒に2泊3日の東京旅行に行く羽目になり、彼女が家庭環境に恵まれていないということを知ったとは言え、同情と恋愛感情とは別物のはずで、彼が、いつ、何をきっかけとして、彼女を好きになったのかがよく分からない。
おそらく、彼女の方は、ハワイでお金を借りた時点で、主人公に気があったフシがあるのだが、主人公の方は、親友が彼女に振られたり、彼女がクラスメイトに吊るし上げられたりしたことを契機に、彼女と喧嘩した際も、彼女に対する自分の気持ちに気付いていなかったのだろう。
もしかしたら、同窓会の日に、港で、親友から言われて、初めて、彼女のことが好きだったと気付いたのかもしれず、これが唯一の海のシーンなので、「海がきこえる」というタイトルも、そういうことなのではないかと思ってしまった。
まあ、「恋」というのは、決して理屈で説明できるものではないので、主人公が、修学旅行での彼女の写真を入手したり、彼女と一緒に東京に行くと決めたりした時点で、既に彼女に好意を持っていたのかもしれないが、それでも、彼女の性格を考えると、彼女への恋心になかなか共感できないので、そうした、「自分でも気が付かない自分の本当の気持ち」というものにも、今一つ納得することができなかった。
また、写実的なキャラクターや、リアリティのある背景など、アニメーションとしてのクオリティの高さは感じられるものの、アニメならではの表現技法や見せ場がある訳ではなく、この物語をアニメで描かなければならないという必然性があったとも思えない。
その一方で、有線電話やラジカセやトラベラーズチェックといった、あの頃ならではのアイテムの数々は、高校時代を思い出すというノスタルジックな雰囲気によくマッチしていて、どこか心地よい懐かしさを感じることができたのは、令和の時代に観ることができたからだろう。
四万十川みたいな清らかな青春ジブリアニメ
リバイバル上映に感謝そして、感激(金曜ロードショーでも未放送なので)
ジブリ作品としては宮崎駿が関わっておらず、スタジオジブリ若手主体で制作した氷室冴子原作のアニメ化(駿は試写後酷評したが後に”コクリコ坂から”を作って対抗した)
舞台は高知県高知市。
原作(書籍)を変に改変することなく等身大の高校生の友情と都会からやってきた転校生に面喰い反発しつつも突然の夏の東京旅行、「よさこい祭り」など思春期ならではの揺れ動きつつ少年から青年に成長する心情を描く作品。
娯楽やスマホがない当時、「精神的に成熟し、大人の理不尽を冷静に分析して言葉にして自分の考えを堂々と主張できる」そんな当時の高校生をかなり懐かしく感じる。
冒頭の上京後のヒロインとの再会、喧嘩別れした親友松野との再会と邂逅から物語は高校2年生の回想~卒業後の同窓会、そして冒頭のヒロインへの心情に回帰する。
似たような価値観を抱く松野との友情を生む切っ掛けとその松野の淡い恋心に遠慮して敢えて気づかないフリをする主人公。
松野がフラれて傷付き、ヒロインに義憤を抱き張り手するシーンと文化祭後松野から吊し上げを喰らったヒロインを助けずお茶らけて鉄拳制裁・卒業まで絶交まで「青春だなあ」とジーンとくる。
東京から引っ越してきたヒロインの我儘ぶりは続編の大学編(海がきこえる2)でもさらにスケールアップ。
個性的な学友とのキャンパスライフにウエイトが置かれ、案外面白いので一読されたし(夏目漱石の「坊ちゃん」と似ていて「初夏と海」「思春期の初々しさ」を感じさせる爽やかな読後感が秀逸)
実際高知県を訪れ、夜の高知城や日中の高知駅周辺や市電を目にし、夜は市内の居酒屋で高知弁聴きながらカツオのタタキと鯨ベーコンに地酒に酔い、鳴子を持ってよさこい踊り踊るとこの作品が脳裏を過るくらい。
原作を読みアニメを見ると自分の学生時代を想い出してどこか懐かしさを覚える同窓会みたいなアニメ。
「夏」になると何故か観たくなるジブリ作品の筆頭(イメージだとポカリスエットCM)
読み手が”間(空気)”や”行間を読む読書(国語)力”に乏しいとツマラナイだろう。
「読書好き」には刺さるアニメ。
自分の本心にウソをつく恋愛劇
リバイバル上映で観ました。ロスジェネ世代にはぶっ刺さりまくる作品です。
公開が1993年ですから日銀、財務省、自公政権による失策で「失われた30年」という戦後日本経済が経験する長期デフレによる不況、緊縮財政に突入した年に公開された因縁のジブリ作品なのです。
私は同じ時代に高校生かつ、幸か不幸かリアル三角関係を経験してしまった。
結論から申し上げますと杜崎 拓と武藤 里伽子は相思相愛だったのです。
拓の親友 松野 豊が里伽子に惚れてしまって杜崎が遠慮して身を引いたのですが密かに里伽子に惚れていた。ここには三角関係のブースト効果があって、杜崎と松野はブロマンス関係なのですが松野が好きな人は杜崎にもブーストが掛かって不思議と魅力度数倍増しになります。隣の芝生は青く見える効果といいますか里伽子に杜崎も惚れてしまいます。松野から電話が掛かってきてスリッパの毛を弄る描写からも松野を応援して盛り上がるはずがトーンダウンしてしまう杜崎の心情は友情>恋愛を心に決めているのです。物語は杜崎のモノローグが入りますが観客側は誘導されて杜崎の表層心理しかあらわしてしかいません。
杜崎が里伽子に惚れた瞬間はテニスコートで里伽子がスマッシュを打った時ですね
男性脳は結構単純で異性に対して一目惚れ的なのです。男性脳はまんべんなく女性が好きで減点方式なのです。ただ杜崎は里伽子のことを特異な視点で見ることになる。廊下の成績発表で里伽子のことを幸薄そうだと山尾に漏らしていたのが里伽子の変なところばかり見て減点にならない。東京旅行の付き添いも好きな女の子に対する典型的な男子の反応です。何も思っていなければ絶対高知空港まで行きません。
里伽子は元はどんな子かと言えば、東京成城のゆるふわお嬢様だった。
これが分かるシーンはティールームの岡田との会話から友達と彼氏がくっついても軽いノリ
だった。それが父親の不倫で高知に来て戦うお嬢様に変貌した。まるで毛並みのいい元飼い猫が、手負いの野良猫になって虚勢をはって懸命に生きている。
家庭の事情を知る杜崎に一瞬心を許したシーンがあって、成城のお嬢様らしからぬ脚を開いてベットに座った時ですね。本音を打ち明ける里伽子。しかし、GWの東京旅行から帰ってきたら里伽子は杜崎の事を無視します。だって高知では一人戦闘モードで虚勢を張っていないと負けてしまうからです。松野の告白に対する酷い仕打ちも里伽子が高知で一杯いっぱいでキャパシティに余裕がなく、闘っている私に告白する無神経さに強烈な拒絶反応が出た。東京では上手くいっていた学校生活が高知の学校生活で上手くいかないのは全部「高知」が悪いという認知バイアスにハマってしまったのです。
論理的には杜崎も松野も同じ高知弁喋る男ですから嫌いなはずである。
高知弁喋る男は嫌いという失言で杜崎まで傷つけてしまった里伽子。杜崎は松野を傷つけた怒りでビンタをかましますが、報復措置のビンタに僕は傷ついたという意味が入っています。それを「随分友達思いじゃない」と言って好意的に里伽子は返します。普通は「女に手をあげるなんて最低よ」と反撃します。里伽子は「もういいでしょ」と切り上げます。里伽子は杜崎を買っているんですね
里伽子が杜崎の事を好きになっていくのは、松野から杜崎の評価とバイトで働いているカッコイイ姿を見た時からでしょう。お金を貸してくれたり、東京まで付き添ってくれたり、見栄に付き合ってくれたり、家庭の事情を知っている典型的な理解のある彼君だった。また、問題やミッションを次々と解決していくのに快感を覚える男性脳の持ち主が杜崎だった。
女性脳はまんべくなく男性が嫌いで0点から加算方式で人を好きになっていくので「好き」の起こりが分かりにくい。その証拠につるし上げ後に杜崎にビンタをかましますが、あのビンタの意味は「なんで助けてくれなかったのか」と助けて欲しかった里伽子の気持ちが入っています。何も思っていない相手にビンタなんてかましません。里伽子は元は成城のお嬢様、ロマンチストで「好きな人には助けてもらいたい」欲求があった。つるし上げに泣かなかった里伽子が泣きそうな顔をしていたのに驚く杜崎。その顔を見て里伽子はみるみる湧いてくる感情の渦に呑まれて涙を流します。杜崎の事が好きなのだという感情に戸惑いその場を立ち去ります。
松野が杜崎をサウスポーで殴る意味は数年後語られますが、里伽子に振られた自分に遠慮していまだに義理立てしている杜崎にムカついたから殴ったのです。松野は本来の杜崎なら里伽子を助けるはずだと信用しているんですね。それをしなかった理由は杜崎が里伽子を好きで、松野に遠慮して里伽子を助けなかったと気がついたからです。杜崎は自分で松野に里伽子が泣いた理由をつるし上げで泣いたんじゃない、自分が助けなかったから泣いたんだとペラペラとしゃべってしまった。女が泣くのは男に情愛があるから泣くのであって、そこには深い感情がある。杜崎ほどの男子がペラペラと「生意気じゃ」「ちっとは懲りたろうよ」と悪くいうのは特定の女子に好意がある場合がほとんどです。その証拠に男子が特定の女子の悪口を言っていた後付き合ったりする。
また、松野は杜崎と里伽子が相思相愛で、それを邪魔をしていたのは自分であると気づかなかった憤りがあった。それを解消して杜崎と仲直りするまで時間が必要だった。
実際三角関係は修復できない可能性が高いです。私の場合は友情を失い、恋はフェードアウトしました。松野と杜崎は特別ですね。杜崎のように完全に身を引くという高度な技は高校生には無理なので、ポロポロ漏れてしまっているのがカワイイですね。実際無理です。恋のさや当ては先に当てたもの勝ちです。高校生は大人と子供が混じっていて当人たちは脳内のホルモンバランスが乱れて辛いのです。高校生特有の殺伐とした感じがリアルですね。
里伽子は杜崎の事を好きでも絶対に認める訳にいかない。それは里伽子が今まで張って来た虚勢と矜持と言動のため。対して、杜崎も里伽子の事を好きでも親友のため絶対に認める訳にはいかない。これは自分の本心にウソをつく恋愛劇だったのだ。
けっこうよかった
りか子が人を平気で利用するひどい女で、絶対に距離をおくべきだ。高校生くらいだといくらか常識がおかしいところもある時期だけど主人公は人が良すぎる。りか子にビンタされた後、親友にグーで殴られて平気でいる。りか子に最初にビンタされた時にやり返したのが面白い。
りか子がクラスメイトに囲まれてつるし上げられても一歩も引かず責め立てる方を泣かすところはかっこいい。
修学旅行がハワイであるとなんでもないことのように描かれていて、まさにバブルで今のこの景気の悪い日本とは大違いだ。
しかしそもそも上位の進学校の話で、頭の出来もすごい。ヤンキー高校出のオレには伺い知れない世界だ。
最後の最後、中央線ホームでりか子がしおらしくお辞儀していたのだけど気づかいできるようになったのだろうか。だとしても自分本位のヤバい女だという警戒心は抱くべきだ。
大人にこそ響く、甘酸っぱい追憶
■作品情報
監督:望月智充。原作:氷室冴子。脚本:中村香。キャラクターデザイン・作画監督:近藤勝也。音楽:永田茂。主な声の出演:杜崎拓役 飛田展男、武藤里伽子役 坂本洋子、松野豊役 関俊彦。制作:スタジオジブリ。公開年:1993年5月5日(テレビ初放送)。
■あらすじ
東京の大学に進学した杜崎拓は、故郷・高知へ帰省する飛行機の中で、高校時代を思い出していた。それは、東京から転校してきた美少女、武藤里伽子との出会いから始まる物語。成績優秀でスポーツ万能、しかしどこか浮世離れした里伽子に、拓の親友である松野豊が惹かれる。一方、拓は強気な里伽子の言動に振り回され、反発を感じつつも、共に過ごす時間が増えていく。やがて、友人関係と恋心の狭間で揺れ動く若者たちの、甘くもほろ苦い青春が描かれる。
■感想
本作を観終えたとき、心に残るのは言葉にできないような懐かしさと、胸の奥がきゅっとなるような甘酸っぱい感情です。冒頭、現代のアニメ作品と比べると、当時の技術的な限界や、意図された「平熱感覚」の絵柄に、正直なところ少しだけ物足りなさを感じたのは否めません。しかし、物語が進むにつれて、そのシンプルな線と色使いが、かえって作品の世界観に見事に溶け込み、ノスタルジーを掻き立てることに気づかされます。
スクリーンに映し出される高知の街並み、ブラウン管テレビやレトロな生活家電、そして当時の流行を映す髪型や服装のすべてが、まるでタイムカプセルのように、あの頃の日本の日常を鮮やかに蘇らせます。それは単に当時を詳細に描いているだけでなく、失われた時間の温かさや、記憶のフィルターを通した輝きをまとっているようです。この時代だからこそ描けた、そして今だからこそ深く刺さる普遍的なテーマを確かに感じさせます。
杜崎拓の視点で描かれる青春のエピソードは、自分自身の学生時代には経験できなかったような、まぶしいほどに甘酸っぱいものです。拓の優しさや誠実さと、それに対し身勝手に見える里伽子の行動に時に苛立ちを感じつつも、互いに相手の存在が少しずつ大きくなり、それがやがて特別な感情へと変化していくのを感じます。あの頃の不器用さ、純粋さ、そして未熟さゆえの輝きが、丁寧にすくい取られているようです。友人との葛藤、親との関係、そして恋の駆け引き。すべてが発展途上の若者たちの姿は、時を経て大人になった今だからこそ、より深い共感を呼び、自身の成長と重ね合わせて懐かしさを感じさせます。そういう意味では、これは大人が「あの頃」を思い出し、新たな感情を味わうための作品だと言えそうです。
海がきこえる
YouTubeで思い出がいっぱいのMVとして使われていたのでどんな映画か、気になって市川市妙典の映画館に足を運んだ。
土佐弁が以前に繰り返し見た『この世界の片隅に』に似てる。
昔、四国に本社がある会社に就職したことがあって、高松市に研修に通ったことがあるので、東京からいきなり転校して高知の高校に放り込まれた理香子の心境は共感出来る。
帯屋町のアーケード街も高松市のアーケード街に似ていてとても懐かしい雰囲気。
設定が県内トップクラスの進学校で卒業したら東京や京都の大学に進学していくレベルなので、進学校の雰囲気もちょっぴり味わえる。
杜崎と森野の関係が一つの軸かな。
なんで杜崎が理香子を引っ叩いたのかの謎が映画を観て解けた。
ホントに杜崎って森野が好きなんだね。
懐かしい感じの話だった。
・とても爽やかな話に見えた。高校も建物の雰囲気がよさそうなところだった。六時半にアニメを放送してたり懐かしい感じが凄くした。
・修学旅行をやめますっていう事でもめるっていうのが興味深かった。今だったらありえなそう。でも、当時はよくあったんだろうか。
・中年になってみているせいなのだけど、武藤のお父さんも離婚したんだし、生活を一新してても何も悪くないでしょうと思った。当たり前だけど娘が子供っぽすぎるなぁって思った。お父さんが軽い人みたいに見えなくもなかったけど武藤のお母さんがどんな人だったかとかによっては印象が違ったんじゃないかなぁとか思った。その後、東京の時の彼氏とあって失望したりその時はいい人に見えたとかいう話が何だかわからなくもないと思った。環境が変わると途端に身近だった人たちが赤の他人に感じられてしまう感じ。と同じなのかはわからないけどそれに近いと思った。
・当時の懐かしい風景や缶ジュースとかの絵がきれいだなぁと思った。
・松野が優しすぎて、かわいそうになった。武藤に対して冷淡な態度ばかり受けていたのにそれでも好きだからっていう事で接してたのに。武藤も後から人づてに後悔していると言っていたけども。同窓会で、清水が狭い所にいたからという理由でいがみあっていたように思うというような話をしていて、どこの環境でもそうだなぁと思った。
・大半が回想で驚いた。
・まとめると自分には縁遠い話だなぁという印象だった。学生時代にこういった体験に近いような経験をした人たちにははまるんだろう。冒頭のバイトのシーンで多分、杜崎が午後も出られますって言っといて急に帰りますって言って帰っていったんだろうなぁっていう店主?の不機嫌さの方が、年なのか共感できた。呼び出した松野も転校してきた武藤って子が気になっている事を間接的に相談するためで用事っていえないような用事で後日でもいいじゃんって思ったのも年のせいか。初見が高校生とかだったらまた違った感覚だったのかなとか思った。
リバイバル上映ながぜよ
匂いまで伝わるほど、その時代に生きた人には響く映画
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