「四万十川みたいな清らかな青春ジブリアニメ」海がきこえる むせるさんの映画レビュー(感想・評価)
四万十川みたいな清らかな青春ジブリアニメ
リバイバル上映に感謝そして、感激(金曜ロードショーでも未放送なので)
ジブリ作品としては宮崎駿が関わっておらず、スタジオジブリ若手主体で制作した氷室冴子原作のアニメ化(駿は試写後酷評したが後に”コクリコ坂から”を作って対抗した)
舞台は高知県高知市。
原作(書籍)を変に改変することなく等身大の高校生の友情と都会からやってきた転校生に面喰い反発しつつも突然の夏の東京旅行、「よさこい祭り」など思春期ならではの揺れ動きつつ少年から青年に成長する心情を描く作品。
娯楽やスマホがない当時、「精神的に成熟し、大人の理不尽を冷静に分析して言葉にして自分の考えを堂々と主張できる」そんな当時の高校生をかなり懐かしく感じる。
冒頭の上京後のヒロインとの再会、喧嘩別れした親友松野との再会と邂逅から物語は高校2年生の回想~卒業後の同窓会、そして冒頭のヒロインへの心情に回帰する。
似たような価値観を抱く松野との友情を生む切っ掛けとその松野の淡い恋心に遠慮して敢えて気づかないフリをする主人公。
松野がフラれて傷付き、ヒロインに義憤を抱き張り手するシーンと文化祭後松野から吊し上げを喰らったヒロインを助けずお茶らけて鉄拳制裁・卒業まで絶交まで「青春だなあ」とジーンとくる。
東京から引っ越してきたヒロインの我儘ぶりは続編の大学編(海がきこえる2)でもさらにスケールアップ。
個性的な学友とのキャンパスライフにウエイトが置かれ、案外面白いので一読されたし(夏目漱石の「坊ちゃん」と似ていて「初夏と海」「思春期の初々しさ」を感じさせる爽やかな読後感が秀逸)
実際高知県を訪れ、夜の高知城や日中の高知駅周辺や市電を目にし、夜は市内の居酒屋で高知弁聴きながらカツオのタタキと鯨ベーコンに地酒に酔い、鳴子を持ってよさこい踊り踊るとこの作品が脳裏を過るくらい。
原作を読みアニメを見ると自分の学生時代を想い出してどこか懐かしさを覚える同窓会みたいなアニメ。
「夏」になると何故か観たくなるジブリ作品の筆頭(イメージだとポカリスエットCM)
読み手が”間(空気)”や”行間を読む読書(国語)力”に乏しいとツマラナイだろう。
「読書好き」には刺さるアニメ。
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