「偶然の傑作」ロボコン 津次郎さんの映画レビュー(感想・評価)
偶然の傑作
人物が無欲だった。
2部だし、志願でもない。
次第に夢中になるけど、野心もない。
みんながどうしようと困惑し主体性をもった人を探していた。
話も無欲だった。
勝ったとして、利得があるわけでもない。
次のステージが約束されているのでもない。
図師先生が笹木先生と同棲する──ていどの結論しかなかった。
映画も無欲だった。
長澤まさみにかわいいを充てようとしていないし、
小栗旬や塚本高史にかっこいいを充てようともしていなかった。
伊藤淳史も鈴木一真もぎこちなく、
誰一人としてギラつかない反面、、
感動へもっていく気配がさっぱりなかった。
映画賞どころか青春映画さえ狙っていない──かのようだった。
はからずもそれらの無欲によって、ロボコンは偶然生まれた。偶然──生まれたのだ。もし、意識して作ったなら、この監督はビルフォーサイスに比肩する。が、そうではなかった。偶然だった。
いずれにしても、とんでもない傑作だと、個人的には思っていて、日本の青春映画として筆頭に推す。
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