「【”虚構の家族。そして、嘘と真実の狭間で生きる人々・・。”人間の内面に秘めた嫌らしさ、醜さ、普段は言えない”本音”を、当時28歳!の、西川監督がオリジナル脚本で描き出した作品。】」蛇イチゴ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”虚構の家族。そして、嘘と真実の狭間で生きる人々・・。”人間の内面に秘めた嫌らしさ、醜さ、普段は言えない”本音”を、当時28歳!の、西川監督がオリジナル脚本で描き出した作品。】
■祖父、父、母、娘のごく平凡な家族・明智家。
娘・倫子(つみき
みほ)は同僚との結婚を控え、父・芳郎(平泉成)は一家を支え(ているふりをして・・)、母・章子(大谷直子)は痴呆症の祖父・京蔵を世話している。
だが家族全員が誰にも言えない”秘密”なり”不満”を抱えている。
そこに10年目に家を出た、長男・周治(宮迫博之)が突然帰ってきて…。
◆感想
・今作は、今や邦画を代表する監督になった西川美和さんが、28歳の時に脚本・監督をこなした作品である。
今作には、その後には公開された数々の映画で、描かれている人間の、内面に秘めた嫌らしさ、醜さ、普段は言えない本音を抱えた一見普通の幸せそうな”家族”が描かれている。
・今作の、キーマンになる周治は、借金塗れだった父を助け、母は彼に縋ろうとするが、周治の真実を知る倫子のみが、”昔、蛇イチゴがある・・”と兄に言われ大変な目に遭ったことを忘れずに、”兄に家を乗っ取られる”と反対するが・・。
<ラストシーンの解釈はそれぞれだと思う。
倫子は兄とともに蛇イチゴを探しに行くが、倫子は途中で探すのを辞め、香典泥棒の兄の所業を警察に伝え、フラフラと川沿いの道を歩いて行く。
そして、家に帰ると兄の服は無く、机の上には、蛇イチゴが置いてある。
- ここの、暈した映像から、蛇イチゴにフォーカスして行く様が、絶妙である。-
今作は、嘘と真実の狭間で生きる人々の姿を描いた、ブラックコメディである。>
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