「孤高の女自衛官」ゴジラ×メカゴジラ odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
孤高の女自衛官
今度のメカゴジラは初代ゴジラの骨から製作、ゴジラのDNAコンピュータという訳のわからぬ発明はジュラシック・パークの影響か、無理やりSF感を盛っている感じ。
前作で搭乗型に進化かと思ったら遠隔操縦に逆戻り、ジェット機に吊られて移動とは退化じゃないかとがっかりしたら空中切り離しで自力飛行可能じゃないですか、リモコン故障で搭乗して操縦、なんだやればできるんじゃないですか・・。なんで出し惜しみするのか意味不明。
主人公は天涯孤独、逞しく生きる女自衛官でメカゴジラ機龍の初代操縦士茜、殺したのはゴジラなのに茜を逆恨みする同僚や下心ありありのバイオロジーの博士親子が絡んで面倒臭い話で尺稼ぎ、市井の人々は逃げ惑うばかりで政治家と軍人が幅を効かせています。
劇中で「生まれてこなくていい命なんてない」と命の尊厳を語るのに自衛隊の戦車では歯が立たないと分かっているのに毎回出動しては全滅の繰り返し、武器は機龍しかないと言っているのにどれだけ自衛官を犬死させるのか・・。言ってることとやってることのちぐはぐさに唖然とする脚本、ゴジラ映画と言うことでゴジラ松井も特別出演と受け狙いにだけはそつがない。
台風と共にゴジラも上陸、どちらも大災害という位置づけは単純明解、絶対零度の冷凍兵器をなんでわざわざ海の中で使うのか、ドル箱のゴジラだから何としてでも殺せないジレンマがありありでした。
メカゴジラも3代目、ゴジラを倒せるのはゴジラだけのコンセプトで生まれたが格闘戦と言うよりビームの吐合いばかりだし戦闘兵器というならゴジラ形体の必然性も余り感じなくなった、どんなに強力な武器を作っても興行的には負けるか良くて引き分けと決まっているような八百長試合では、もはや興醒め・・。