「愛に生き、逢いに行く...か」千年女優 sironabeさんの映画レビュー(感想・評価)
愛に生き、逢いに行く...か
番組制作会社社長の立花は、憧れでもあった銀幕を去って30年の伝説の女優藤原千代子への取材で屋敷を訪れる。千代子は、自らの出演作を織り交ぜながらその半生を語る。関東大震災の日に生まれ、女学生時代に出会った活動家に恋をし、彼が残した鍵を大事に持っていたが。
楽しくも切ない作品でした。監督の前作「パーフェクト・ブルー」と同様、現実とフィクションが交錯しますが、今作は明るくてまるで作風が違っています。SFから時代劇まで次々シーンがチェンジしていく映像の妙は、名作「うる星やつら2ビューティフル・ドリーマー」を思い起こすほど見事でした。あちらの夢邪鬼にあたる存在が、こちらでは妖婆といったところか。最後、彼女の一途さと、立花の無念に目が潤みました。
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