「初めて見る形の映画でした。」千年女優 ヤモリ映画さんの映画レビュー(感想・評価)
初めて見る形の映画でした。
最初は年老いた有名女優のところへ零細映像制作会社のおっさん社長(と若い助手)がインタビューに行き、これまでの人生を回想してもらうという流れでした。そのまま回想に入り、その中で彼女の人生を追っていく作品・・・と思いました。
しかし、途中から様子が違います。彼女の回想ではなく、映画の作品で彼女が演じたシーンなのです。戦国時代、京の都、その中で映画・現実のスタジオ・映画・現実世界・映画・現実世界と行ったり来たりを繰り返して、途中から「この体験は映画で得たものなのか、彼女の妄想なのか」といよいよわからなくなってきます。
ストーリーとしては「鍵の君」を追いかける女性という感じですが、「鍵の君」の顔がどうにもはっきりしない。ぼんやりとした感じ。なので彼女の思い出も鮮明じゃない。彼が映るところだけぼんやりと暗いです。
途中の地震も気になりました。平成初期の作品なので、阪神淡路からそう時間が経っていないかと思いますが、地震が起きることは何を意味するのか・・・夢や映像に行ってしまう意識を現実に引き戻しているのかなあと書いていて思いました。
好き勝手書いてすみませんでした。今敏監督の作品、面白かったです。
コメントする