「遠野なぎこさんを偲んで 2作目」海は見ていた 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)
遠野なぎこさんを偲んで 2作目
2002年公開作品
二度目の鑑賞
いずれもTSUTAYAレンタル
原作は『椿三十郎』『雨あがる』『どら平太』『かあちゃん』『SABU さぶ』の山本周五郎
監督は『黒部の太陽』『サンダカン八番娼館 望郷』『ひかりごけ』『愛する(1997)』『日本の黒い夏 冤罪』の熊井啓
脚本は『醜聞』『七人の侍』『椿三十郎』『雨あがる』『どら平太』の黒澤明
熊井監督が多少脚本に手を加えているらしい
日活創立90周年記念作品
山本周五郎原作だが『海は見ていた』という作品はない
『なんの花か薫る』『つゆのひぬま』の2作の合作
94年に制作される予定も中止
予算の都合らしいが黒澤明なら予算を組めるだろう
他に理由があるはず
別の小説をくっつけたがそれががうまくいっていないという指摘があるがそうでもないと感じた
熊井監督が手直ししてなんとか形にしたのかもしれない
とはいえ黒澤明は脚本の才能がないと妄言を吐く者もいるがいくら頭がおかしいと自称しても免罪符にはなりませんよ古川土竜さん
娼婦役ということもあり遠野凪子がオッパイを出している
ベリー系の綺麗な色した乳首だなと感じた
菊乃は元武家の奥方という設定
色々と事情があるのだろうと思いきや嘘だった
心を支えるつっかえ棒だという
洪水で避難し葦の屋の屋根の上でカミングアウトする
そのわりに教養が高い
掴みどころがない
清水美沙と遠野凪子のダブル主演に思える
当時の遠野凪子単独では力不足は否めない
オープニングロールでは1番先が清水美沙でラストも清水美沙
こういうことを役不足と誤用する人があとを立たないがイラっとするよ古川土竜さん
失恋し意気消沈しばらく仕事を休むも復帰し次の恋に燃え上がるお新
それを尻軽と詰る古川土竜だがそれは違う
そもそも娼婦に尻軽とか失笑
いつまでも失恋を引きずって鬱病になるなんて馬鹿馬鹿しい
失恋の痛手を治す薬は新しい恋愛で精神科病院なんてなんの役にも立たない
平凡な女は切り替えが早い
男なんて星の数ほどいる
宝石だと思ったら石ころだった
それなら宝石をまた探せば良い
クライマックスの星空はどう見ても合成
イメージでどうしても星空が必要だったのだろうがリアルだと撮影所の近くではなかなか叶わない
脚本が黒澤明でも監督が黒澤明じゃないと別物になってしまう
日本映画の父は脚本さえ良ければ誰でも名監督になれると豪語したが
辛口レビューはもてはやされがち
長いと微妙だがビビさんくらい極端に短いと共感されやすい
そのためか夏のためか辛口のカップ麺が流行っている
辛いと吐き出してしまうので辛口ラーメンは苦手だ
舌がプルプル震えて拒否反応を示す
単なる辛口レビューも嫌いだ
そこに愛やユーモアがあれば別だが神経質なわりに自己中心的なためかそういう配慮は凡人にはない
何処の馬の骨かもわからないネット民の純粋な愚痴なんて読みたくない
大切な人だから愚痴だって親身になって聞けるんだ
配役
江戸深川の女郎宿「葦の屋」の娼婦のお新に遠野凪子
「葦の屋」の娼婦で姉気分の菊乃に清水美砂
不幸な境遇を語るお新の客の良介に永瀬正敏
良介の子供時代に片岡涼
刃傷沙汰で追われお新に匿ってもらった侍の房之助に吉岡秀隆
「葦の屋」の娼婦のお吉につみきみほ
「葦の屋」の娼婦のおそのに河合美智子
「葦の屋」の客で鳶職の権太に北村有起哉
お新らが働く深川にある岡場所の女将のおみねに野川由美子
菊乃の馴染客で隠居の善兵衛に石橋蓮司
菊乃の馴染客でヤクザの銀次に奥田瑛二
地回りの梅吉に鴨川てんし
八番組に加藤隆之
八番組に佐藤健太
向かいの女郎に土屋久美子
鳶職で権太の兄貴分の文治に佐藤輝
葦の屋の少女に藤井綾香
洪水が来そうなことを周囲に知らせる地元住民の番太郎に大槻修治
お新の妹に茂木雪乃
岡場所の女郎に鯉沼トキ
岡場所の女郎にはやしだみき
岡場所の女郎に麻生奈美
岡場所の女郎に山本美也子
岡場所の女郎に遠藤好
おそのの客にこじ郎
お吉の客に大川ひろし
祭りの男に三国一夫
駕籠かきの富吉に谷口公一
駕籠かきの五助に田中輝彦
葦の屋の飯炊女に藤あけみ
向かいのやりて婆に松美里杷