陽はまた昇るのレビュー・感想・評価
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「真摯に向き合う」本当の姿
この映画を見て、
実話に基づいた物語という視点で、
リアルな決断の難しさを強く感じました。
ずっと徹底的に問いかけられるのは、
「もし自分がその場になったら、
同じ決断ができただけでしょうか?」
ということです。
その瞬間的な判断は、
ビジネスでも人生でも、
現実には非常に難しいし、実際解雇や人員整理は酷なものです。
この映画は、
そういった難題に対してリアルな挑戦を描いていました。
作中に描かれた企業の状況は、
厳しい事業部の業績や、シビアな社内の駆け引きを垣間見せます。
とはいえ製品が完成するまで、
不採算部門の売上を営業努力でカバーし、
開発費を捻出するために戦う様子は、
どれだけ大きなプレッシャーがあっても
「何を成し遂げるか?」をゴールにしているということを物語っています。
しかし、それ以上に印象だったのは、
開発期間中、会社がこのプロジェクトを信じて待ち続けた姿勢です。
この判断の背景には、
当時の事業部長の圧倒的な情熱があったと感じました。
その熱量こそが、企業の成功を支えた最大の貢献だったのではと
思うくらいです。
この映画を観て、
実は自分自身に問いかけるシーンがありました。
「今、自分が企業の代表としてやっているが、
同じ熱量で挑戦しているだろうか?」
そんなふうに思ってしまうかもしれない自分に気づき、
そのことが自分の才能や可能性を閉じてしまっているのではないか、
という疑念が思いうかんでしまいます。
さらに、製造業における規格を考える過程で、
官側の姿勢にも注目しました。
当初はやんわりと否定的な提案をしてきたにもかかわらず
いざ販売するとなったら
それはそれでOKという
現代と比べて当時ははるかに寛容で、
挑戦を許容する時代だったかもしれない。
そんな時代背景も、
この物語の成功に重要な役割を果たしたのだと感じました。
最後にもっと自分に足りないものが何かが
はっきりと見えてきました。
それは、「信念」と「情熱」です。
魂を揺さぶるような作品をうみだすことを
そこに向き合っているかどうか
自分自身よく考えるきっかけとなりました。
そして明日への新たな原動力となりましたことが
この作品にふれてありがたいと感じる次第です。
高度成長期だったからという背景はあるだろうけど…。
「人生至るところ靑山あり」という言葉を思い起こしました。この作品を観て、評論子は。
どんな境遇にあっても、己の長所を専一に磨き、伸ばしていくことの大切さが浮き彫りになっていると思います。
いわゆる高度成長期だったからあり得たという指摘もまんざら的外れではないと思いますが、その一方で、コロナ禍の今でも通じる真理を含んでいるようにも思われました。
良い作品だったと思います。
会社内で自由勝手にタバコが吸えた時代。 車を運転してる渡辺謙も助手席の西田敏行もシートベルトをしてない。 麻丘めぐみ「わたしの彼は左きき」のVTR、
動画配信で映画「陽はまた昇る」を見た。
劇場公開日:2002年6月15日
2002年製作/108分/日本
配給:東映
西田敏行
緒形直人
篠原涼子
真野響子
石橋蓮司
倍賞美津子
江守徹
渡辺謙
津嘉山正種
國村隼
中村育二
田山涼成
蟹江一平
鎌田樹音
新克利
加藤満
崔哲浩
永倉大輔
石丸謙二郎
石田法嗣夏
八木勲(夏木勲)
井川比佐志
仲代達矢
ビデオ戦争の話である。
1975年にソニーが文庫本サイズの媒体を用いるベータマックスを発売したのに対し、1976年に日本ビクターはVHS方式のビデオカセッターHR-3300を発売[2]した。
他社ではVコードを開発した東芝・三洋が「ベータ方式」に参入(当初は併売)、オートビジョン方式・VX方式を開発した松下電器も、子会社であるビクターが開発したVHSの併売を決め、最終的には「ベータ方式」と「VHS方式」に収斂された。
第26回日本アカデミー賞優秀作品賞、
優秀主演男優賞(西田敏行)、
助演男優賞(渡辺謙)、
優秀音楽賞受賞、
第15回日刊スポーツ映画大賞石原裕次郎賞受賞作品。
オレが学生の時には自宅にVHSのビデオレコーダーがあった。
ビデオレコーダーの購入は他の同級生の家庭よりも早かったと思う。
角川映画の「野生の証明」(1978年 )を何十回も見た記憶がある。
松下電器、ビクター、ソニーなどの会社や松下幸之助(仲代達矢)が実名である。
ビクターが松下電器の子会社だったことは知らなかった。
会社内で自由勝手にタバコが吸えた時代。
車を運転してる渡辺謙も助手席の西田敏行もシートベルトをしてない。
麻丘めぐみ「わたしの彼は左きき」のVTR、
いろいろ時代を現した描写があった。
ラストシーンとか脚本が出来過ぎの感はあるが、
見応えのある映画だった。
個人的には石橋蓮司、津嘉山正種のシブい演技が好き。
満足度は5点満点で4点☆☆☆☆です。
規格統一はいつの時代も困難
ビデオテープの規格は消費者側からすると、何とか統一できなかったのかと思っていた。
これは、官主導で統一を強制しようとした結果、企業の反発を食らった、
当時よくあった事例の一つだね。
自家用車参入に苦労したトヨタ、4輪への参入を絶たれかけたホンダなど、
自動車産業でも官に苦労させらっぱなし。
官は規制という横槍を入れるものの、当時の企業が反骨精神で乗り切り、
以降の繁栄の基盤を築いたのが現実。
総じて省庁主導は先見性が甚だ疑問。無い方がマシ。
さて、ソニーはこのビデオ規格競争で敗れたことを教訓にして、
3.5インチフロッピーの規格は公開して競争に勝っている。
だがメモリースティックなど、独自規格に走って迷走する傾向も大いにあった。
と、この映画を観て感慨に浸ったところ。
名優揃い踏み
お亡くなりになった佐々部清監督の代表作。
民生用ビデオの開発競争を題材にしたドキュメンタリー風の作品。キャストに西田敏行さん、渡辺謙さんなどの名優が緊迫した状況をリアルに表現している。技術主導のベータ vs 市場の意見を優先したVHS。通産省の思惑に対して、駆け込みで商品発売に向け社員一丸となり団結してゆく様。規格の主導権の鍵を握る松下電器はどちらを選ぶという流れをうまく表現している良作です。
何度か観てるけど
最後のシーンは、どうしても泣いてしまう。
「一人の人間の情熱が、人を、そして世界を変えていくことができるのだ」、というお手本のようなストーリー。
あの当時、このようにモノは開発され、製造され、そして店舗に運ばれ、売られていった。
その汗が感じられるシーンの数々。
もちろん西田敏行もいいのだが、彼に感化され、徐々に彼の考えに賛同し、励ますようになる渡辺謙もいい味出してる。
今でも自分は、時折VHSのビデオを使っているが、いつの日か、「VHSってなに?」と、未来の子供たちに言われてしまうのかと思うと、すごく寂しい気持ちになる。
これぞ日本人の生き方
緒方直人の出るシーンで何度かグッと来て、最後に喉が苦しくなるほどに。泣けました。こういう企業努力で世界に勝ち誇っていた時代。輝いていたな。今は忖度ばかりの腐った社会に成り果てました。いつか又こんな輝いた社会が戻ってきて欲しい!
人が会社をつくる
個人評価:3.6
ベータとVHSの知られざる競争と、いかにVHSにシェアが流れていったかがよく分かる。製品や会社は人が作っていくモノだという事を教えられ、またその情熱をもって仕事をする人達を羨ましく感じる。
真摯に働く素晴らしさ
働くことが作業や手段になりつつある現代。
この映画は、働くことの素晴らしさ、情熱を教えてくれる作品でした!
誇張なく、人生の半分以上影響する仕事。
その仕事に夢と情熱を帯びれば、人生が輝く(≧∀≦)
日本社会への激励
以前の職場が独自開発システムを売っていた会社だったので、胃がキリキリする思いで観てました。
西田さん演じる事業部長とナンバーツーの渡辺謙さん演じる大久保さんみたいな人がいたら、江口さんみたいな器の人がいたら…人を動かすためには人ですね。
実力俳優達ばかりなので、自然と感情移入できました。
当時世界を視野に入れて動くことができたこと、本当にすごいと思います。
タイトルは、この映画の中身ではなく、観る人に希望を持たせるためにつけられたのかなと考えました。
プロジェクトXの映画版
総合80点 ( ストーリー:85点|キャスト:80点|演出:75点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )
「プロジェクトX」の映画版のような作品。架空の話とはいえども、実際の話を基にしているだけあって臨場感がある。特にVHSとベータの規格戦争を実際に見聞きしてきたのでそれもひとしおだ。新製品を自社で独占するのではなく、規格を公開して世界標準という考えをこの当時にもっていたのは先見の明がある。それまでの努力を踏みにじる官僚的態度そのままの官僚に取りすがる西田敏行がいい。技術者の情熱と魂を見れるし、その背後の日本経済の発展を支えた人々の普段は見られない活躍を照らすという企画もいい。公開当時、どん底にあった日本経済に、一筋の希望と勇気を与える作品でもあったのではないか。
日本の技術者たちへ
プロジェクトXを、もう少し面白くして映画にした感じ。
日本の技術者たちは、常に陽の当たる場所ばかりでなく
人の目に付かない所でも沢山の努力を重ね、限りない沢山の
人の努力の上に今の技術力を見につけてきたんだと、改めて
思った映画です。
DVD、ブルーレイと常に時代は進んでいき、VHSは古い
かも知れないけれど、この努力の基、産み出された事を
忘れないでいたいっすね。
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