陽はまた昇るのレビュー・感想・評価
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俳優たちの顔ぶれが豪華!
世界規格となった日本ビクターのVHSの開発の裏で活躍した人々のドラマ。
俳優たちの顔ぶれが豪華な、そして「いかにも!」というキャスティング。特に頭が硬いビクターの重役達には、それ相応の面々がキャスティングされいる。石橋蓮司と津嘉山正種達だ。悪代官風でヴィランのようだ。(本当は会社想いの真面目な方のハズ)
主軸は家庭用のビデオデッキの開発で、1976年10月31日に日本ビクターがVHS規格の家庭用VTR第一号機「HR-3300」を発売する。一時停止して見たが、VHSの2時間テープが六千円と、映画内の新聞記事に載っていた。
β(ベータマックス)にしろVHSにしろ えらくデカい。私の家は未だにVHSデッキがあるが6倍くらいデカい!
仲代達矢を偲んで映画を観ようと探したら知らなかった今作を見つけた。しかし仲代達矢の出番は少なくて、西田敏行の追悼も兼ねるような結果となったが、中高生の頃に〇〇ロードショーを録画予約してた思い出も蘇った。
仲代達矢演じる松下幸之助が出て来るが、他社の重役達からも扱いが別格だ。「当時は松下電器がそんなに偉かったのか」と、驚いた。
【”何事も人。そして夢を諦めない男。”今作は窓際であったビデオ事業部に異動になった男と仲間達が世界規格となったVHSビデオの開発秘話を描いたサラリーマンであれば、涙する作品である。】
ー 最初に。
今作には邦画の名優を越えた名優である、故西田敏行さん、先日逝去された仲代達矢さんが出演されている。瞑して、ご冥福をお祈りいたします。ー
■粗筋
日本経済がマイナス成長に陥った1970年代前半。
日本ビクター本社開発部門に勤める開発技師・加賀谷静男(西田敏行)に、左遷とも言える、非採算部門である横浜工場ビデオ事業部に赴任し人員削減をするよう、役員達から指示がされる。
だが、人材を財産(人財と言う言葉を我社では使っている。)と考える加賀谷は、ある極秘プロジェクトを立ち上げた。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・ご存じの通り、加賀谷静男は実在の人物をモデルとしている。
実に立派な方であると思う。
<加賀谷が赴任後に行った大改革の数々>
1.本社指示の人員削減をせずに、効率的な組織編成を行った事。
⇒これにより、やる気を失っていた人たちは、加賀谷への想いと共に、やる気を取り戻すのである。
2.ビデオ事業部240名の名前を、全て覚えた事。
⇒組織の長たるものの必須の仕事であるが、240名の名字だけでなく下の名前まで覚えるというのは凄い。だが、これにより240名とのコミュニケーションが進むのである。社長からフルネームで呼ばれて、嬉しくない人はいないでしょう。
3.下請けと言う言葉を部下に使わせずに、”協力会社”と言う言葉を使うように指示している所。
⇒これにより、協力会社社長たち(井川比佐志たち)は、加賀谷を信頼していくのである。
4.開発陣が、昼夜を問わず開発したVHSを【互換性のある、統一規格】とするために、ライバルメーカに内部構造を公開した事。
⇒これは、凄い事である。だが、結果的にこの判断が世界にVHSを広めたのである。
5.世界の松下幸之助(仲代達矢)に、アポなしで夜に車を走らせて、松下の大阪本社に会いに行った事。
⇒これは、博打であるが、日本ビクターの役員達が、ベータ導入を検討している中での行動である。そして、松下幸之助が言った言葉。
【VHSは、150点や!】
<今作は窓際であったビデオ事業部に異動になった男と仲間達が世界規格となったVHSビデオの開発秘話を描いたサラリーマンであれば、涙する作品である。
ラスト、妻子と工場に行った加賀谷静男が見た、ビデオ事業部240名が作った人文字のシーンは名シーンである。
さあ、明日から又、厳しき仕事を頑張ろう!と思わされた作品でもある。>
VHS vs SONY あんたらの時代は熱かった。
NHK「プロフェッショナル」でも神回として残るVHS誕生秘話。
1970年代低迷し始めた日本経済に家電メーカーとしての企業戦争。
ビクターの開発部門にいた加賀谷は突如、不採算部門の横浜のビデオ事業部に部長として赴任。
決起回生のビデオプロジェクトを画策する。
時は1975~1976年なので、自分がビデオデッキに触れるのは5~6年後になることで、開発にメーカーの熾烈なドラマがあるとは知る由もなかった。
中学校に入ると何人かビデオを持っている家庭の同級生が何人かいたが、ベータとVHS半々で、ベータの持ち主はブランド志向的感覚が多かったイメージだ。その後、1985年になるとビデオレンタル店が出始め、両方置いていた店があったように記憶しているが、1泊500~700円とTSUTAYAが1週間レンタルを始めるまでは安くはなかったと思う。
1980年代後半にはメーカー対応の多いVHSデッキが安くなりはじめ勝負あったという感じだった。
ビデオについてはこんな感じではっきりと記憶が残っているので、この映画の内容には気持ちがだいぶ入ったし、実話の人間ドラマとしては感動的な内容だと思う。
あの頃の日本は熱かったんだなぁ。。と憧れにも感じる思いがあった。
見てよかった、
プロジェクトVHS…進歩と夢
Amazon Prime Video(東映オンデマンド)で鑑賞。
原作(映像メディアの世紀)は未読。
以前、NHKの番組の「プロジェクトX~挑戦者たち~」でVHSの開発秘話が取り上げられた回の再放送を観て以来、ずっと観たかった本作をようやく鑑賞することが出来た。
進歩が無ければ未来は無い。開発こそ未来を切り開く一手であると、技術畑ならではの考えと情熱で技術者たちを率い、日本ビクター社内で窓際部署と揶揄されていたビデオ事業部の大逆転を成し遂げた主人公・加賀谷静男の姿に胸打たれた。
夢に邁進し、不屈の心で世界規格VHSを生み出した名も無き人たちの物語には、今の日本社会が失ってしまった「熱さ」が漲っているように感じた。新しいものを生み出そうと云う意欲と情熱で仕事に打ち込む姿はとても眩しくカッコ良かった。
日曜劇場や…
「真摯に向き合う」本当の姿
この映画を見て、
実話に基づいた物語という視点で、
リアルな決断の難しさを強く感じました。
ずっと徹底的に問いかけられるのは、
「もし自分がその場になったら、
同じ決断ができただけでしょうか?」
ということです。
その瞬間的な判断は、
ビジネスでも人生でも、
現実には非常に難しいし、実際解雇や人員整理は酷なものです。
この映画は、
そういった難題に対してリアルな挑戦を描いていました。
作中に描かれた企業の状況は、
厳しい事業部の業績や、シビアな社内の駆け引きを垣間見せます。
とはいえ製品が完成するまで、
不採算部門の売上を営業努力でカバーし、
開発費を捻出するために戦う様子は、
どれだけ大きなプレッシャーがあっても
「何を成し遂げるか?」をゴールにしているということを物語っています。
しかし、それ以上に印象だったのは、
開発期間中、会社がこのプロジェクトを信じて待ち続けた姿勢です。
この判断の背景には、
当時の事業部長の圧倒的な情熱があったと感じました。
その熱量こそが、企業の成功を支えた最大の貢献だったのではと
思うくらいです。
この映画を観て、
実は自分自身に問いかけるシーンがありました。
「今、自分が企業の代表としてやっているが、
同じ熱量で挑戦しているだろうか?」
そんなふうに思ってしまうかもしれない自分に気づき、
そのことが自分の才能や可能性を閉じてしまっているのではないか、
という疑念が思いうかんでしまいます。
さらに、製造業における規格を考える過程で、
官側の姿勢にも注目しました。
当初はやんわりと否定的な提案をしてきたにもかかわらず
いざ販売するとなったら
それはそれでOKという
現代と比べて当時ははるかに寛容で、
挑戦を許容する時代だったかもしれない。
そんな時代背景も、
この物語の成功に重要な役割を果たしたのだと感じました。
最後にもっと自分に足りないものが何かが
はっきりと見えてきました。
それは、「信念」と「情熱」です。
魂を揺さぶるような作品をうみだすことを
そこに向き合っているかどうか
自分自身よく考えるきっかけとなりました。
そして明日への新たな原動力となりましたことが
この作品にふれてありがたいと感じる次第です。
高度成長期だったからという背景はあるだろうけど…。
会社内で自由勝手にタバコが吸えた時代。 車を運転してる渡辺謙も助手席の西田敏行もシートベルトをしてない。 麻丘めぐみ「わたしの彼は左きき」のVTR、
動画配信で映画「陽はまた昇る」を見た。
劇場公開日:2002年6月15日
2002年製作/108分/日本
配給:東映
西田敏行
緒形直人
篠原涼子
真野響子
石橋蓮司
倍賞美津子
江守徹
渡辺謙
津嘉山正種
國村隼
中村育二
田山涼成
蟹江一平
鎌田樹音
新克利
加藤満
崔哲浩
永倉大輔
石丸謙二郎
石田法嗣夏
八木勲(夏木勲)
井川比佐志
仲代達矢
ビデオ戦争の話である。
1975年にソニーが文庫本サイズの媒体を用いるベータマックスを発売したのに対し、1976年に日本ビクターはVHS方式のビデオカセッターHR-3300を発売[2]した。
他社ではVコードを開発した東芝・三洋が「ベータ方式」に参入(当初は併売)、オートビジョン方式・VX方式を開発した松下電器も、子会社であるビクターが開発したVHSの併売を決め、最終的には「ベータ方式」と「VHS方式」に収斂された。
第26回日本アカデミー賞優秀作品賞、
優秀主演男優賞(西田敏行)、
助演男優賞(渡辺謙)、
優秀音楽賞受賞、
第15回日刊スポーツ映画大賞石原裕次郎賞受賞作品。
オレが学生の時には自宅にVHSのビデオレコーダーがあった。
ビデオレコーダーの購入は他の同級生の家庭よりも早かったと思う。
角川映画の「野生の証明」(1978年 )を何十回も見た記憶がある。
松下電器、ビクター、ソニーなどの会社や松下幸之助(仲代達矢)が実名である。
ビクターが松下電器の子会社だったことは知らなかった。
会社内で自由勝手にタバコが吸えた時代。
車を運転してる渡辺謙も助手席の西田敏行もシートベルトをしてない。
麻丘めぐみ「わたしの彼は左きき」のVTR、
いろいろ時代を現した描写があった。
ラストシーンとか脚本が出来過ぎの感はあるが、
見応えのある映画だった。
個人的には石橋蓮司、津嘉山正種のシブい演技が好き。
満足度は5点満点で4点☆☆☆☆です。
規格統一はいつの時代も困難
ビデオテープの規格は消費者側からすると、何とか統一できなかったのかと思っていた。
これは、官主導で統一を強制しようとした結果、企業の反発を食らった、
当時よくあった事例の一つだね。
自家用車参入に苦労したトヨタ、4輪への参入を絶たれかけたホンダなど、
自動車産業でも官に苦労させらっぱなし。
官は規制という横槍を入れるものの、当時の企業が反骨精神で乗り切り、
以降の繁栄の基盤を築いたのが現実。
総じて省庁主導は先見性が甚だ疑問。無い方がマシ。
さて、ソニーはこのビデオ規格競争で敗れたことを教訓にして、
3.5インチフロッピーの規格は公開して競争に勝っている。
だがメモリースティックなど、独自規格に走って迷走する傾向も大いにあった。
と、この映画を観て感慨に浸ったところ。
名優揃い踏み
何度か観てるけど
これぞ日本人の生き方
緒方直人の出るシーンで何度かグッと来て、最後に喉が苦しくなるほどに。泣けました。こういう企業努力で世界に勝ち誇っていた時代。輝いていたな。今は忖度ばかりの腐った社会に成り果てました。いつか又こんな輝いた社会が戻ってきて欲しい!
人が会社をつくる
日本社会への激励
全22件中、1~20件目を表示












