「しだいに身につまされて、やがて」冷静と情熱のあいだ アマポーラさんの映画レビュー(感想・評価)
しだいに身につまされて、やがて
若くして海外生活を、特に南欧での生活を経験した人ならきっと、この映画のストーリー展開に少なからず共感せずにはいられまい。大学時代は恋人同士、その後も互いが変わらず忘れがたい存在なのに、別々の道を歩む。年を経ても互いが忘れられず、それでもなんとか他の異性を受け入れようとするが、いつもギクシャク。二人は10年後、つまり彼女の30才の誕生日にフィレンツェの大聖堂のドゥオモで逢うことを約して別れたのだが、さて、二人の空虚な思いはいつ埋まるのだろうかというのが唯一の関心事。
最初は、イタリア語や英語が交じり、当事者同士で十分な会話が成立しているとはとても思えない中途半端なシーンが多く何も期待しないで観ていたら、なんだかしだいに身につまされる展開になってくるので、あわててエリを正して鑑賞。たったひとりの人に思いを寄せて悔いない人生は幸せなのか、それとも不幸なのか、幸せの落としどころは他のどこにもないのか、いろいろ考えさせてくれる映画でした。
コメントする