「"殺しのブルース"」ピストルオペラ 万年 東一さんの映画レビュー(感想・評価)
"殺しのブルース"
肥えたジュリーの不適な笑みが不気味にも序盤からテンポ良くEGO-WRAPPIN'の「サイコアナルシス」が流れるオープニングにはテンションがブチ上がり、こんなに魅力的な江角マキコが奇跡そのものでそれこそ鈴木清順の成せる技、役者を活かすも殺すも監督による演出次第か、当時10歳の韓 英恵はデビュー作でもある本作で子役ながら役者根性全開に鈴木清順のロリコン炸裂?で映倫に引っ掛からなかったのが不思議にも!?
これが『殺しの烙印』の続編ってよりは後日談であり奇妙で奇想天外な世界観は"大正浪漫三部作"から『カポネ大いに泣く』を繰り返し描いているようで、難解さは影を潜めた代わりにシッチャカメッチャカに乱れた物語展開とオドロオドロしい雰囲気に雑で適当に思える演出が乱暴にも、衰えない木村威夫の美術的センスが魅せられる映像のLookとそこにハマるキャラが逸品の山口小夜子と樹木希林の正反対な存在感、清順作品にドンピシャの永瀬正敏が期待を裏切らない役柄で、どうせなら花田五郎は宍戸錠でいけなかったのか!?
公開時にフォーラム仙台にて初鑑賞。
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