ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃のレビュー・感想・評価
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最凶ゴジラとオカルト的世界
◯最凶ゴジラ(GMKゴジラ)
初代ゴジラから恐怖の部分だけを
抽出したような造形。
性格は凶悪そのもので、明確に人を
狙った攻撃、騙し討ちを容赦なく行う。
太平洋戦争犠牲者の怨念の集合体で
あるため、通常兵器が効かない。
放射熱戦は原爆を思わせる威力。
千年竜王ギドラの引力光線すらも
吸収してしまう脅威の強さ。
◯ オカルト的世界観
怨念の存在を元にしたゴジラの設定や、
『護国聖獣伝記』など、オカルト的な
要素が好きならピンとくる。
◯ キングギドラ(魏怒羅)
ヤマトの守護神(護国聖獣)の一体。
千年竜王の異名を持つ。
歴代で唯一悪ではないギドラ。
最初は翼が未発達の状態で登場。
ゴジラに敗れたモスラのエネルギーを
吸収し、完全体として覚醒。
引力光線の他、ゴジラの放射熱戦を
跳ね返すほどのバリアをもつ。
◯ モスラ(最珠羅)
ヤマトの守護神(護国聖獣)の一体。
幼虫は湖から出現。
人間の守護神ではないため、悪意のある
人間は容赦なく殺害する。
成虫は白と紫を基調としたデザイン。
腹部から毒針を発射して攻撃。
◯ バラゴン(婆羅護吽)
ヤマトの守護神(護国聖獣)の一体。
地中を素早く移動し、飛びかかり攻撃を
繰り出す。
△中途半端な人間ドラマ
人間ドラマは立花親子を中心として
進行していくが、周りの登場人物との
関係性等の描写が無いため、感情移入が
できない。
立花泰三准将は1954を経験しており
ゴジラに因縁があるが、物語の主軸には
なっておらず、最終的に自らの手で
ゴジラを倒すことに成功するが、
演出のせいかカタルシスは弱い。
△主人公を好きになれない
立花由里は伊佐山教授と話したことで、
『護国聖獣伝記』を信じるようになり、
第六感のようなものに目覚める
描写もあるが、特に平成ガメラの
巫女のような役割になることもなく、
防衛隊の迷惑も省みず、記者としての
スクープに固執して行動するため、
あまり印象は良く無い。
△オカルト設定
ゴジラが怨念の集合体であることや、
ギドラ、モスラ、パラゴンが
ヤマトの守護神であることなど、
歴代シリーズからすると設定が
無理やり過ぎる(笑)。
こうしたオカルト設定が合わない人は
楽しめないのでは?
なるほど
評判がなかなか良いので、最新作を見た後に見てみた。まあ、こんなだったよねな感じ。
人間パートのドラマが大体良くないのがゴジラって感じ。怪獣同士の戦いも下手なプロレス感が強い。新山千春の話、いる?、無駄にキャストは豪華のような。そこも、ゴジラ映画って感じ。
平成ガメラ監督作品と聞いて期待したがなんか評価に困る…逆説的にシン・ゴジラの完成度に気づかされた
監督は平成ガメラシリーズで有名な金子監督。だいぶ前だけど平成ガメラシリーズは3つとも見たし、わりかし面白かった記憶があるので期待していたが、今作はなんとも評価に困る。
平成ゴジラシリーズあたりからCG技術が向上して適宜取り入れられていく一方で、特撮とCGはどちらがより優れているか対立軸として取り上げられいろんな映画で色んな試行錯誤がされる。本作は90年代初頭のゴジラシリーズに比べればかなりCGを取り入れ特撮の割合が低くなったものと感じる。CGを多くしたせいで飛翔するモスラ、力強く登場するキングギドラなどがかっこよく表現できる一方で、当時としては最新鋭でも流石に2020年代から見ると境目がはっきり見えてしまうCGはリアルさを欠いてしまう印象。CGと特撮は共存するのか、それとも特撮が捨てられCGへ移行していくのか、その在り方を探る混迷期の作品に見える。これから見るとシン・ゴジラは精巧な特撮模型をふんだんに使用して実写かと見間違うようなリアルな画を作りつつ、境目や違和感を感じさせないCGでビームなどをリアルに表現する、という完璧な回答を示して見せたんだなあと気づかされた。
ストーリー面では今作は初代ゴジラとつながりがあるうえで、ゴジラが太平洋戦争の英霊が平和ボケした日本に喝を入れるためゴジラになって現れた、そしてそれを護国を守る聖獣3匹(+人間)が倒すというもの。あわせて監督個人の政治的主張なんだろうか有事に備えた軍備の必要性の主張、軍・軍人への称揚といったメッセージが随所に登場。これまでにないゴジラの新解釈はまあいいとして、太平洋戦争の英霊がゴジラとして日本を滅茶苦茶に破壊したうえで自衛隊と対決するってストーリー…それでいいのか?右の人にも怒られない?といらん心配をしてしまう笑。そのうえで自衛隊がゴジラにとどめを刺す方法が勝算があるかないか微妙な個人による特攻作戦…。旧軍のダメなとこ引き継いでません?なんか色々設定が迷走している感じ…。
あと「(ゴジラという)過去の悲劇を忘れている」というメッセージ・セリフは何度も登場する。これは多くの民間人・自衛隊員がゴジラの被害にあい無残に死んでいくという風なとこでも表現されるが、その一方で報道の使命として危険な現場に突っ込んでいく女性主人公…。報道が災害現場に突っ込んでいって二次災害起こした雲仙普賢岳の火砕流はこの映画の10年前だよね。過去の悲劇をもう忘れたの…?これまた設定が迷走してません??メッセージ自体はいいんだが矛盾する内容が随所に出てくると白ける…(まあそれをおいても女性主人公の人間ドラマパートはイライラさせられっぱなしだったけど)。
この点シン・ゴジラはセリフではなく映像で東日本大震災・原発事故という観客の記憶を呼び起こし恐怖を感じさせ、自衛隊はあくまで組織戦を展開するストーリーで、広げた風呂敷をきちんと畳みきり伝えるべきメッセージもきちっと伝えた感があり完成度が高かったんだなと思った。
各怪獣については豪華な顔ぶれのわりにあんまり印象に残ってない。まず白目のゴジラが怖い。バラゴンは完全サンドバックなうえ、タイトルに載せてもらえないの可哀そう笑。モスラは登場時間短かったな。定番の鱗粉攻撃もなく、ボコボコにされても這ってでも立ち上がるのがモスラのいいとこだが、それもあまりなく…。キングギドラだけ2回も復活してずるい。
なんか色々書いたが、シン・ゴジラが本作品含めこれまでのゴジラ作品をよく咀嚼しよく練ったうえで作られたことがよくわかる、というこの映画の評価なのかなんなのかよくわからない結論になってしまった。
白目ゴジラ怖ぇー!
ゴジラ通算25作目でミレニアムシリーズでは3作目にあたる本作。前作のトンデモ科学から一転オカルト嗜好になっております。科学的だった前作は大した科学知識なくってもツッコミ所満載だったのに、オカルトになると何でもあり前提なんで、例え新山千春が箱根?から横浜までゴジラをチャリで追っかけててもツッコミする気にならなくなるのは自分的に不思議な発見でした。
何はともあれ白目ゴジラがカッコいいですね。太平洋戦争の怨念うんぬんは正直なんじゃ、そりゃ?って思いましたが、見た目はナイスです。そしてバラゴンがつぶらな瞳でカワイイ。思いっきり咬ませ犬なのが残念でした。あまり活躍のなかったモスラは微妙でしたが、キングギドラが千年竜王なんて大層な名前になってたのは監督の中の中学2年生が全開だったのでしょう。
ただ新山千春のマスゴミっぷりが痛々しかったです。ああいうのがいると現場は迷惑だろうなぁ。
怪獣の出現でちゃんと人が死んでたりすることを誤魔化さずにやってるのは良かったですね。総じて大人も楽しめる作品だったと思います。
最高だ
新山千春が熱海から横浜までネット中継しながら一晩中自転車で走っているとか、変なところはあるが人間ドラマがとても面白く、宇崎竜童もかっこいい。怪獣と自衛隊が協力してゴジラと戦うのもいい。怪獣どうしのプロレスもとても楽しい。モスラが羽で放射能を防ぐところも泣ける。何よりゴジラが怖くて悪い顔していて、容赦無く残虐だった。
公開当時見てとても感動した記憶があったのだが、改めて最高だった。『シンゴジラ』もよかったけど、一番好きなゴジラ映画かもしれない。
鬼か?悪魔か?…究極破壊神上陸!
ゴジラシリーズ第25作(ミレニアムシリーズ第3作)。
母親に映画館へ連れて行ってもらいました。
良き想い出です。
怪獣映画を新地平へ押し上げた平成ガメラ三部作の金子修介監督が、満を持してゴジラシリーズに登板した作品。
ゴジラシリーズを新ステージへ進めてくれるのではないかと、子供ながら大きな期待を抱いたことを覚えています。
本作のゴジラは完全に恐怖の象徴として描かれていました。今までもそう云うコンセプトを強調していた作品はありましたが、そんなのが霞んでしまうほどの凶悪ぶりでした。白目であり、一切の感情移入を拒む、悪鬼の如き破壊神…
太平洋戦争で散った英霊たちの集合体とされていて、安穏と日常を享受する日本人に痛烈な一撃を加えるかのように襲来しました。お前らの平和の根底には、俺たちの犠牲があったことを忘れるなと、伝えようとするかのように…
そんな破壊神を迎え撃つのは、ヤマトの守り神である"護国三聖獣"、バラゴン、モスラ、ギドラ。企画段階ではバラゴン、バラン、アンギラスと云う組み合わせだったそうな…。派手さに欠けると云うことで却下されたらしいですが、それはそれで観てみたかったなぁ…
当時は動いているバラゴンをまだ観たことが無かったので、この登場は大変嬉しかったです。大涌谷の死闘では体格差をものともせず、果敢にゴジラへと立ち向かっていく姿にジンと来ました。あれだけの奮闘をしたのに、タイトルに入っていないことをかわいそうに思いました。
横浜最終決戦では、モスラとギドラ、防衛軍が共同戦線を張り、猛然と進撃するゴジラに戦いを挑みました。夜景を焦土に変えながら繰り広げられた死闘は、シリーズ屈指の名バトルだなと思いました。覚醒したキングギドラとゴジラの海上戦もまた興奮の坩堝でありました。
ですが、何をさておいても聖獣たちがゴジラにまるで歯が立たないと云う点がヤバ過ぎ。とてつもない衝撃でした。ゴジラどんだけ強いねん、みたいな…
同じく金子監督の「ガメラ3 邪神<イリス>覚醒」で試みられていた、伝奇要素と怪獣の組み合わせが本作でも行われていました。おどろおどろしさと言うか、全体に漂うオカルト的雰囲気がとても新鮮でした。ですが少々説明不足と云うか、いろいろ端折られている気がしたことも確かで…
何はともあれ、本作はゴジラ・ファンの間でも大変評価の高い作品なのは間違い無い。自然と、年に一度は観返したくなります。大事にしていきたい。とても大好きな映画です。
[余談]
「劇場版 とっとこハム太郎」と同時上映なのは、子供ながら正直いただけませんでした。ハム太郎目当ての女の子がゴジラにビビって泣いていました。それほどゴジラシリーズの興行収入が落ち込んでいたと云うことなのでしょうが…
※追記(2019/11/03)
ゴジラ・フェス2019の「居酒屋ゴジラ」と云うトークショーにおいて、富山省吾元プロデューサー、大森一樹監督、大河原孝夫監督、手塚昌明監督、金子修介監督が揃って登壇されました。その中で、金子監督は「ゴジラVSモスラ」製作発表の折り、富山プロデューサーへの年賀状にて同作の監督を志願されていたと云うエピソードを語っていました。その時点で大河原監督に決まっていたので流れ、その後金子監督は平成ガメラ三部作の製作に入ったために、本作の監督オファーがあった時は念願叶った瞬間だったそうな…
※鑑賞記録
2002/12/10:テレビ大阪(特別編集版)
2012/? ?/? ?:DVD
2019/05/16:Blu-ray
2019/11/02:ゴジラ誕生祭2019(池袋HUMAXシネマズ)
2020/01/29:Amazon Prime Video
2020/10/11:Blu-ray
2021/09/14:Netflix
※修正(2021/09/12)
良い点と悪い点がハッキリしているゴジラ映画。悪いところには目をつぶろう!
面白い点だけを取り出せば評価4.5レベル。
2回目を見る時は良い点だけに注目すると良いかもしれません。
以下良い点・悪い点を挙げていきます。
■良い所
・ゴジラが魅力的
白目ゴジラ。
ビジュアルも設定も凄く面白い。
最高。
・バラゴン
かっこいいしかわいい。
バラゴンが出てくるゴジラ映画はレアで得した気分になれる。
怪獣対決はバラゴン対ゴジラが一番良かった。
■悪い所
・キングギドラが弱い、見せ場が少ない
護国聖獣の1体として登場する今作のキングギドラ。
ゴジラと並び立つ最強怪獣、というよりはあくまで3体のうちの1体という立ち位置。
従来のキングギドラというよりヤマタノオロチ色が強い。
覚醒前は勝負になりません。
千年竜王状態は互角…に見えて最後はやっぱり一撃でやられちゃう。
見せ場も少ないように感じましたね。
せっかく覚醒したのにすぐ海中に沈んじゃったのは残念…。
人間に決着を付けさせるために割りを食った感。
・新山千春
今作最大の問題要素。
演じている新山千春がとてつもない大根。
ハッキリいうといらない。
若い頃の新山千春は間違いなくかわいいけどね。
・反戦映画としてダメダメ
お地蔵さんのようなもの(戦没者の鎮魂の像)を足蹴にする日本人はおらんやろ~。
これはちょっとリアリティに欠けましたね。
このシーンで「あ、これは架空の日本人だな」と思ってしまいました。これは自分(私達)じゃないと。
もう少し視聴者に刺さる形にすると良かったのでは。
まとめると怪獣パートは最高、それ以外が駄目。
良いところだけを見るとそこそこの映画。
悪いところには目をつぶって見よう!
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