「この国は怪獣だらけかっ!」ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃 kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
この国は怪獣だらけかっ!
今までのゴジラ設定を覆すくらいに画期的なストーリー。ゴジラは50年前に東京を襲ったきり現れていないというものや、ゴジラが完全悪であり、バラゴン、モスラ、キングギドラが善玉というもの。ヤマト古来の守護神である護国聖獣、漢字で書くと“婆羅護吽”、“最珠羅”、“魏怒羅”なのだ。ゴジラの存在も太平洋戦争の犠牲者たちの残留思念と位置付ける大胆な発想。じゃぁ、なんで日本を襲うのよ!?との問いにも、適当ながらも答えていた。
新潟県妙高、鹿児島県池田湖、山梨県本栖湖、小笠原諸島と、全国を巡る怪獣出現ポイントも楽しいし、暴走族やら犬を虐待する若者たちが最初の犠牲者になるなんてホラー映画のパターンもいい。人が死にすぎるという批判ポイントもあるが、これもホラー映画だと思えば許容範囲。特に篠原ともえや温水洋一のシーンが悲しいけどいい。笹野高志が運転手ってのもいい。爺さんの幽霊(天本英世)をはじめ、オカルトっぽいところもあり、不思議な石なんてのも平成ガメラを引きずっているのだろうか。
ちょっと拍子抜けするのは護国聖獣3匹がそれぞれ皆弱いところ。バラゴンはプロレス技で結構頑張っていたけど、キングギドラなんて呆気なく死んでしまうし、2度も生き返らせてもらってる。そして特殊潜航艇の魚雷の一発目がヤッチマッタ感満載。こんなところでギャグかませなくても・・・
平和憲法と防衛軍などとレクチャーする准将の宇崎竜童。しばらく自衛隊がゴジラ映画にそのまま表記されていたのに、敢えて防衛軍としたのは、50年前のゴジラを撃退したのは防衛軍の兵器ではなく、芹沢博士の兵器だったということをずっと隠蔽してきたからだろう。軍の不要論にも繋がるために隠蔽したおかげで、ゴジラが現れたことさえ忘れられてしまった世の中。そんな防衛軍の上部組織が防衛“省”となってたのは先見性があったということかもしれません。
使われたきのこ雲の映像といい、平和や反核のメッセージが込められた作品だと思う。ただ、音楽が酷すぎる点、主役の二人の演技がダメすぎる点が残念。また、前田愛、亜季の姉妹がそのまま小美人になるかと思ったのに、なんでもなかったところが謎。
kossykossyさんいつも、レビュー見てくれてありがとうございます!
僕もこの映画観て主演のキャスト陣よりも脇役で出てた俳優に共感しました!