浪人市場 朝やけ天狗
劇場公開日:1960年3月22日
解説
山手樹一郎の原作を、「若桜千両槍」の結束信二が脚色し、「野狐笛 花吹雪一番纏」の松村昌治が監督した娯楽時代劇。撮影は「あらくれ大名」の吉田貞次。
1960年製作/88分/日本
配給:東映
劇場公開日:1960年3月22日
ストーリー
南町奉行矢部駿河守は、佐原屋と結ぶ堀大和守、鳥居甲斐守らの策謀により失脚、新たに甲斐守が南町奉行の職についた。駿河守の腹心山川忠介は職を退き、浪人市場に身を投じた。甲斐守の不正をあばくべく、浪人に身を落してその時期を待とうというのだ。ある夜、隠密の美也を佐原屋の追手から救った。忠介と美也は、善助という風変りな遊び人によって江戸のはき溜といわれるはだか長屋に連れこまれた。善助は佐原屋に内報して小遣銭にありつこうという魂胆だった。が、忠介の性格に長屋の人々は心酔し、新奉行の悪政に対して立ち上った。折も折、江戸城西の丸再建の材木の取引きにことよせて、材木商角屋の内儀お杉を、大和守の用人黒川が佐原屋と図って手ごめにしようと狙っていた。忠介はこれを知り、佐原屋の寮にのりこんでお杉を救った。大和守一派は、剣客樫崎一党、殺し屋の人斬り浅をやとい、忠介暗殺を図った。忠介と浅は対決したが、浅は忠介の人柄に魅了され、忠介の協力者と変った。大和守は江戸城西の丸再建に着手、この工事にことよせて巨利をむさぼろうとしていた。黒川は再びお杉を手に入れようと大和守邸に呼びよせた。忠介はお杉に大和守の屋敷に行かせ、自からも屋敷にのりこんで決戦を挑んだ。時を同じくして、前奉行駿河守も忠介の作った調書を持って江戸城に向っていたのだ。はだか長屋の連中をはじめとする忠介の協力者たちも大和守の屋敷に向っていた。すでに忠介の浪人剣法は、大和守のくり出す刺客たちの頭上に風を切っていた--。