「同情するなら予算くれ!」REX 恐竜物語 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
同情するなら予算くれ!
懐かしの空前の恐竜ブームに沸いた1993年夏。
その火付け役は言うまでもなくハリウッドのメガヒット超リアルCG恐竜映画だが、同時期に日本で作られたのが、本作。
月とすっぽん、雲泥の差のレベルや技術や出来や面白さも言うまでもなく…。
あちらとは全くのジャンル違いのファミリー向けファンタジーなのだから比較にもならないくらい仕方ないのだけれど…。
見るのは子供の頃に劇場で観て以来だから、26年前!
可愛い女の子だった安達祐実もそりゃあ大人の女性になるわな…。
にしても、所々、こんなにトンデモだったっけ??
恐竜の卵を探しに北海道の洞窟へ。
案内人の老人が空を飛ぶ!
水晶ドクロやガラスケースみたいな物の中に入れられ奉られている卵。(一応ムー大陸の…という設定だが、何じゃありゃ!?)
卵を手に入れ、崩壊する洞窟。不思議な光が発し、急にファンタジー!
なかなか孵化せず、卵のまま死んでしまった…と、その時、安達祐実演じる千恵がオカリナを吹いたら、何と生き返った!
遂に誕生した赤ちゃん恐竜=REXは、ぬいぐるみ感や着ぐるみ感丸出し…。(一応『E.T.』のクリエイターが手掛け、それなりに可愛いのは可愛いが…)
そんなREX誕生に喜ぶ実力派俳優たちの寒い演技、チープな演出。(監督は、大麻で逮捕歴もあるあの大物)
時の人ならぬ時の恐竜となったREXで金儲けを企むステレオタイプな欲深悪役。
出演したピップエレキバンのCMでは、今は亡きあの名女優と共演。
クリスマスのレストランでのドタバタはまるでコント。
キリないツッコミ所やらタイアップやら、真面目に映画作ってんのかい!?
まあ、でも、千恵とREXの交流にはほっこり。
殻に閉じ籠りがちで、久々に母親に再会するも研究一筋の母親に落胆。
孤独な少女とこの世にたった一頭の恐竜の赤ちゃん。
REXの良き母親になろうとし、悪漢から守ろうとする千恵の姿は健気。
クリスマス、千恵とREXがダンスするシーンは数少ない本作のなかなかいいシーン。
ほとんど安達祐実とREXの可愛らしさや魅力だけの作品。言わば、PV。
安達祐実は本作が映画デビュー。あの名台詞の名作TVドラマは翌年。
REXを卵があった洞窟に返そうとする千恵。北海道を珍騒動したり、スノーモービルに乗ってアクションしたり、気球に乗って大冒険!
さながら、実写版『ドラえもん』みたいな感じ。
千恵と家族のドラマも並行して。
千恵は自閉症という設定らしいが、誤解生みそうなその描写はクレームあったとか。
超久々に見たら、ミサンガとかピーマン嫌いとか、何となく覚えてた点も。
話の展開も所々。
昔は子供心に面白かったって事なのかな…??
今見ると、健全なファミリー向けファンタジーではあるけれど、う~ん…(^^;
今なら技術や予算がアップし、もうちょっとマシな和製恐竜メルヘン作れるかもしれないけど、当時はこれで精一杯でした。
見てたら、つい思ってしまった。
同情するなら、予算くれ!
巫女雷男さん
2002年に『ロード・オブ・ザ・リング』に抜かれるまで、松竹配給の作品では一番のヒットだったらしいですね。
何にせよ、懐かしい作品でした。
残念ながら『ガンヘッド』は我が家には無く…。
特撮好きとしては非常に見たいんですが(>_<)
1993年あのジュラシックパークより2週間前に公開され恐竜人気を先取り。興行収入22億円(当時だったら凄い)の大ヒット。怪獣はポケモン先取り。次は1989年夏休み大作ガンヘッド宜しくです🙇♂️