LUNATIC
劇場公開日:1996年6月1日
解説
元女優と去勢された男、ゲイの麻薬売人とアル中の作家という、偶然出会った4人の男女の新しい愛のかたちを官能的に描いたラブ・ストーリー。監督は“ピンク四天王”のひとり、サトウトシキで、これが一般映画の第1作となる。脚本はサトウのピンク時代からのパートナーである小林政広。4人の男女には、「極つぶし」の安原麗子、「ヤンキー烈風隊」の北村康、「さわこの恋 1000マイルも離れて」の吹越満、「7月7日、晴れ」の小木茂光。
1996年製作/日本
配給:エクセレントフィルム
劇場公開日:1996年6月1日
ストーリー
3年前、失恋がもとで精神を病み芸能界を引退した元・女優の安田由美子は、かつて自分のファンであったアル中の作家・秋元良夫と同居している。由美子は彼を愛しているわけではなかったが、秋元はそれも承知で由美子を愛し続けていた。ヤクザと絡んで麻薬の密売をしていたバイセクシャルの野村浩一は、ふとしたきっかけで売人を射殺してしまい、逃走を続けていた。秋元は立ち寄ったバーで偶然、浩一と知り合い、由美子は路上に倒れていた浩一の弟・裕二を見つけ、介抱してやった。由美子はかつての恋人に瓜二つな裕二の体を求めたが、裕二は母親によって去勢されていたのだった。こうして知り合った4人は、共同生活を始めることになった。秋元はほかの3人の動向を客観的に観察しながら、自分たちの生活を小説に書こうと考えていた。由美子は次第に裕二のことを愛していったが、由美子の愛に応えることのできない裕二は、浩一に自分の代わりに由美子と寝てほしいと頼む。浩一は激しく由美子を求め、裕二は浩一に強い嫉妬を抱いた。一方、浩一は自分と寝ていても由美子が裕二を愛していることから、裕二に対して嫉妬を覚える。さらに冷静を装っている秋元も、ふたり以上の嫉妬を感じていた。秋元は小説のシノプシスを書き上げたが、それには結末が欠けていた。結末を自分で作ろうとした秋元は、鳴り続けている浩一の携帯電話を手にすると、浩一を追っているヤクザに自分たちの居場所を告げる。ヤクザの銃撃を受けた裕二と浩一は命を落とし、秋元も死に瀕していた。由美子は海へと車を走らせると、限りなく続く青さに向かって翔んでいった。