「誰も彼もわしを這いつくばせようとするのか」利休 shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
誰も彼もわしを這いつくばせようとするのか
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映画「利休」(勅使河原宏監督)から。
20年以上も前の作品にも関わらず、また観たいと感じた作品。
それはなぜか?と自問自答したところ、出演者にあった。(汗)
NHKの大河ドラマを始めとする、最近の歴史物語は、
主役や脇役に、アイドルやお笑い芸人などが起用され、
台詞の言い回しから所作に到るまで、訓練されていない。
それに比べ、利休に扮した、重厚な演技の三國連太郎さん、
見てくれだけの権力者・秀吉に扮した山崎努さん、
それを支える、三田佳子さんや岸田今日子さんらの女優陣。
やはり、俳優を職業にしている人たちの演技は、天晴れである。
さて、気になる一言は、秀吉の怒りに触れ、処罰される利休に
妻を始め、側近は「秀吉に詫びれば、解決するから」と諭すが
当の本人は「何を詫びるのか?」と逆に問いただし、
「誰も彼もわしを(秀吉に)這いつくばせようとするのか」と嘆く。
「わしは、殿下に頭を下げることは、何一つしておらん」
「わしとて死にとうない。だが、生きていようとも思わん」
「1度、頭を下げてしまうと、
それからずっと這いつくばって生きなければならん」と言い切る。
これこそ「人間の生き方」にスポットを当てた作品と言える。
自分の生き方にもプライド(矜持)を持っていた彼が、
あの時、周りの忠告に耳を傾け、秀吉に詫びて生きていたなら、
彼は今の世でも、こんなに慕われていたかは、甚だ疑問である。
彼の考え方・行動から学ぶことは非常に多い。
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