「【”あの素晴らしい愛をもう一度”村上龍の全然ラブ&ポップではない、乾いた世界観の中、自分の気持ちに素直な優しい女の子たちが様々な経験をしながら成長する様を、庵野秀明監督が見事に実写化した作品。】」ラブ&ポップ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”あの素晴らしい愛をもう一度”村上龍の全然ラブ&ポップではない、乾いた世界観の中、自分の気持ちに素直な優しい女の子たちが様々な経験をしながら成長する様を、庵野秀明監督が見事に実写化した作品。】
■高校2年の、ヒロミ、チサ、ナオ、チエの4人はいつも一緒に渋谷の街を歩き、時にオヤジと援助交際をする仲間。そんなある日、ヒロミはデパートのショーウインドーに飾られたトパーズのダイヤに魅了され、代金12万8千円を手に入れるため、援助交際目当てで伝言ダイヤルに手当たり次第に電話する。
◆感想<Caution!内容にやや触れています。>
・今作の原作は読んではいたが、実写化作品を観るのは初めてである。驚いたのは、村上龍の乾いた世界観が、ほぼ忠実に再現されていたことである。
■気持ち悪い、オジサン達
1.しゃぶしゃぶを彼女達に奢りながら、自分の娘や自分自慢をするオジサン(モロ師岡)
2.チックがある、不潔なオジサン。で、ヒロミとレンタルビデオ屋に行ってエロビデオコーナーで自慰行為を手伝わさせる。(手塚とおる)
3.人形に話しかけながら、悪い事をしようとするも”お前には、価値があるって事なんだよ!”と捨て台詞を吐き、ラブホにヒロミを一人残して去るオジサン(浅野忠信)
・今作の後半はヒロミの援助交際シーンを主に描かれて行くが、ヒロミ、チサ、ナオ、チエの4人が、オジサンをちょっと小馬鹿にしながらも、実は自分の気持ちに素直な、心優しい女の子である事が描かれて行くのである。
そして、彼女達は、様々な経験をする中で、絆を深めつつ、成長して行くのである。
■ラスト、両岸をコンクリートで固めて護岸工事をしたどぶ川を、4人が横一列で前を向いて”あの素晴らしい愛をもう一度”が流れる中、歩くシーンは、名シーンだと私は思います。
<今作は、村上龍の全然ラブ&ポップではない、乾いた世界観の中、自分の気持ちに素直な優しい女の子たちが様々な経験をしながら成長する様を庵野秀明監督が見事に実写化した作品なのである。>