劇場公開日 1962年3月21日

「アルマゲドンよりはるか前の名作」妖星ゴラス りあのさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0アルマゲドンよりはるか前の名作

2025年1月26日
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鑑賞方法:映画館

笑える

怖い

興奮

午前十時の映画祭14にて。
1979年9月土星探査のための宇宙船JX-1・隼号が、富士山麓宇宙港から打ち上げられた。しばらくして、パロマー天文台は質量が地球の6,000倍あるという黒色矮星・ゴラスを発見したと発表した。その時、隼号が最もゴラスに近い位置にいたため、急遽ゴラスの探査に当たることになったが、引力圏内に捉えられてしまい脱出不可能となった。最後まで観測を続け、データを地球へ送信した隼号はゴラスへ衝突し、クルー全員が殉職した。
隼号から送信されたデータから、ゴラスは地球の4分の3の大きさだが、2年半後に地球に衝突する、という事がわかり、世界中に衝撃を与えた。
隼号の姉妹艇JX-2・鳳号の打ち上げには莫大な予算が必要で、思うに任せぬ中、園田の孫・速男が「ゴラスを爆破するか地球が逃げるか、その2つしかないじゃないか」という言葉から、国連科学会議で「重水素ならびに三重水素を利用したロケット推進装置を南極に設置し、地球を40万キロメートル移動させて軌道を変える」という「地球移動計画」を日本が提案した。アメリカやソ連も同じような研究を行っていたことから、南極に結集した世界中の技術によって巨大ジェットパイプの建造が始まった。
そのころ、国連の要請で打ち上げた鳳号がゴラスに接近し、観測した結果、ゴラスの質量は地球の6,200倍に増加しており、もはや爆破は不可能という結論が出された。地球を救うためには地球の移動しか無くなった。
完成した南極のジェットパイプ基地は・・・さてどうなる、という話。

60年以上前に作られた作品だが、日本が土星に探査機を送る、なんて夢が有ったんだなぁ、と思ったし、特撮技術は今見ても凄いなぁ、と思った。
ミニチュアのブルドーザーなどを使って南極にジェットパイプを建設する様子などなかなか素晴らしいものだった。
40万キロ移動と言ってたが、地球と月くらいの距離を動かしたって6200倍の重力にはどうなんだろう、という疑問は有ったがそこはよしとするか。
いずれにせよ、アルマゲドン以上の壮大な物語であり、アルマゲドンの36年も前に作られた日本の名作、素晴らしいと思った。

りあの
トミーさんのコメント
2025年1月27日

共感ありがとうございます。
バンザーイバンザーイ、一緒に疎開しましょうよ、戦争が色濃く残る中、結末は大きな希望なんでしょうね。脅威が宇宙人じゃないだけに純粋ですよね。

トミー