劇場公開日 1967年1月14日

「若尾文子がとりわけ綺麗に描かれた三隅監督作」雪の喪章 たいちぃさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0若尾文子がとりわけ綺麗に描かれた三隅監督作

2024年6月16日
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鑑賞方法:DVD/BD

初見は2013年2月、11年ぶりに購入DVDで鑑賞。初見時は未ソフト化作品だった。

この映画、三隅研次監督が、実に綺麗に若尾文子を撮っているカラー映画。
戦前~戦中~戦後の時代を描いているのだが、ホント綺麗に撮っているので若尾文子は年齢不変に見える(笑)

物語は、栄枯盛衰の物語。
昭和5年の金沢を舞台に始まり、金箔・銀箔などを業としている店があり、その店の旦那に嫁いで来たのが若尾文子。
旦那は女中(中村玉緒)とも肉体関係を持っていて、母親も知っている異常な家。
その家は、若狭家というが、若狭家の浮き沈みとともに関係する人達に次々と襲いかかる試練を描いた三隅監督作品。

この店の番頭(天知茂)は女将さん=若尾文子に好意を抱いている。
ただ、戦争突入しそうなので、天知茂は大阪で軍需工場の社長となり稼いでいる。

この映画で印象的なのは、金沢の若狭家の火事を見て、若尾文子が「キレイ」と言う場面が美しい。(……というか、物語全般で若尾文子の美しさは煌びやかである。)
戦中、戦後も描かれるが、若尾文子がほとんど歳をとらない綺麗さ。

大雪が降る度に若狭家の人間は死ぬ…ということから付けられたと思われる『雪の喪章』という映画タイトルは、物語を顕著にあらわした良いタイトルだと思う。

<映倫No.14772>

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たいちぃ