「出てくる奴ら、アホばかり。いかにも「昭和」な、暴走っぷり。」誘拐報道 jin-inuさんの映画レビュー(感想・評価)
出てくる奴ら、アホばかり。いかにも「昭和」な、暴走っぷり。
まず犯人。
喫茶店経営に失敗したとか、知人に騙されたとか、奥さんに怒られたとか、子どもが私立学校だとか、色々事情があるのは分かりますが、なぜ誘拐なのか。しかも自分の子供の同級生を誘拐するなんて、頭悪すぎ!誘拐後の行動も支離滅裂。車のトランクに子ども監禁したまま故郷に戻り母のご飯食べたり昔の女友達とカーセックスしたり、頭悪すぎ!計画性のかけらもありません。そりゃ事業も失敗するわ。こんな男と結婚した奥さんと子どもがただ哀れ。
・人質の扱いが大変→ そのため、誘拐後すぐに殺される場合が多い
・犯人は家族に何度も連絡する必要があるので逆探知されたり声を録音されたりする
・声紋から年齢、性別、体型、顔型などが推測される
・身代金を受け取りに行く必要があるので遠くに逃亡できない
・身代金を受け取る際には必ず警察が張り込んでいる
・捕まれば重罪である
タイパコスバを重視する現代の犯罪者たちから見ると、こんな割の合わない犯罪を犯していた昭和って救いようのない馬鹿な時代に見えることでしょう。
次に警察。
受取場所に変装した警察官を張り込ませますが、挙動不審すぎ!あんなの一発で警察とばれちゃいます。そら被害者の親に怒られますわ。
次にマスコミ。
警察は人質の人命を守るためマスコミ各社に報道協定を要請します。協定が解除されたときのために、あの手この手で情報を拾おうとするマスコミのみなさん。仕事なのは分かりますが、彼らがあんなに特ダネにこだわる気持ちが分かりません。24時間いつでもポケベルで呼び出されて、恋人ともゆっくり会えません。いったい彼らのモチベーションはどこから来ているのか。他社よりも早く「誘拐報道」することになんの意味があるのか。本作をみても全く分かりませんでした。結局売上アップしたいだけなのでは。そんなことにあんなに必死にならなくてもいいのでは。誘拐事件には世間の関心が集まるのは分かりますが、なんとも暑苦しい暴走っぷり。もっと冷静になってもいいのではないでしょうか。
本作の冒頭、スナックのママの訃報を読み上げるスナックの女の子。高沢順子がワンシーンだけの出演ですが、異化効果満点。その存在感はさすがです。