「俺が今何考えてるか分かるか⁉️」誘拐(1997) 活動写真愛好家さんの映画レビュー(感想・評価)
俺が今何考えてるか分かるか⁉️
この作品は公開当時劇場で鑑賞し、深い感銘を受けました‼️タイトルは「誘拐」‼️大規模な東京の街中ロケーションや身代金受け渡しの生中継シーン、渡哲也さんの久しぶりの映画主演が当時相当話題になったと思います‼️会社常務が誘拐され、事件を担当することになったベテラン刑事の津波とニューヨーク帰りの藤。しかし犯人は身代金の受け渡しのTV生中継を要求、身代金の運び役に常務と同じ会社の重役たちを指名する・・・。前半は莫大な捜査員、多数の記者や中継車、ヘリ、一般市民を動員した身代金受け渡しの生中継‼️そして後半は全警察力を動員した犯人追跡と、犯人たちが犯行に至る悲しいドラマが描かれる‼️そして隠し味として、津波と彼が面倒を見ている娘マヨの微笑ましい疑似親子関係も描かれる‼️後半は公害訴訟における悪徳企業の策謀と、被害者たちの悲しい宿命、そしてその宿命が今回の事件を引き起こしてしまった顛末が描かれ、津波の悲しい過去に涙が止まらない‼️この手の犯罪映画の場合、日本映画は事件を解決する刑事たちよりも、犯人側の動機解明に重きを置きます‼️そういう意味で今作は日本映画の面目躍如たる力作ですよね‼️しかしこの作品の真の価値は、前半の身代金受け渡しのTV生中継シーンです‼️年配の重役たちが汗まみれ、身代金3億円の重量に顔を歪めながらの身代金運搬‼️周りを取り囲む取材の記者、TVカメラ、野次馬、刑事たち、騒動を伝えるTV放送‼️一人また一人と重役たちが倒れ、「これは公開殺人だ」運搬を引き継ぐ津波‼️その津波も倒れ最終走者は藤‼️犯人の指示に従って猛ダッシュ‼️自転車に乗り換え、最後は一般人から拝借した車で爆走‼️そのスピード感、そしてキャストたちにくっついて離れない凄まじいカメラワーク‼️これぞ映画の醍醐味‼️木村大作さん、グッジョブ‼️この前半の息もつかせぬ展開がスパイスとなって、後半の展開が余計心に染みる‼️ラスト、藤とマヨには、津波の分まで幸せになってほしいと切に思わされたなぁ‼️
今は亡き渡哲也さんが
永瀬正敏さんに亡くなった長男を重ねて見ていた、公害事件を暴き出す真相、ハメられた弁護士など実話ではないけれど
リアリティーあり、感情移入して見ることができました。