劇場公開日 1969年2月22日

「哲也兄さん、ケダモノ共を狩る!」野獣を消せ ミラーズさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0哲也兄さん、ケダモノ共を狩る!

2020年2月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

凶悪バイカーズ集団に、レイプされて自殺した妹の復讐の為に、アラスカでプロの猛獣ハンターしている哲也兄さんが米国基地の街横田?に帰国。

悪役の顔触れは豪華で、藤竜也のボスは、切れ者だかサドとマゾを合わせ持つ偏執狂気味で、クールなナンバー2の川地民夫。狂犬の様なチンピラの尾藤イサオ。

藤竜也のボスが乗っている、三菱のジープのフロントに、コウモリの姿を型取ったデカイエンブレムを付けており、そのデザインの微妙さが、子供の番組の悪の組織風。出で立ちは、その後の野良猫ロックシリーズに登場雰囲気の元

川地民夫は、黒いレザーと終始サングラスかけた沈着冷静でクールなナンバー2を演じているが、メカフェチなのか自分の愛車が壊されると突然取り乱して暴た隙に撃たれて腹わたをブチまけて仕留められる。

尾藤イサオは、もろに粗暴なチンピラで、冒頭から哲也兄さんの妹をゴミ捨て場で、舌をベロベロと出してレイプして、アジトで舌をベロベロしながら、ナイフで極太ハムをハフハフ食い散らして、更に人質の娘もベロベロとレイプする文字通りの〜オイラにゃーケモノの血が騒ぐ〜な状態
おそらく本人は、この作品を封印したい思っているのでは?

そこに家出してきた政治家の娘が絡むドラマが挟まり、勢いが弱わまるが、後半は文字通りの哲也兄さんによる野獣狩りが、残酷描写も含めて見所。ランボーの様に足バサミの罠を仕掛けて、仕留め、哲也兄さんは愛用の特製ライフルで敵を次々に片付けるところは、演出も編集も切れがあり、足が飛んだり腹わたをブチまけたりと中々の迫力。

そういえば、哲也兄さんが、終始愛用する特製ライフルは、この映画用の特別製
(プロップ)と思われる。
水平ニ連の中折れ式で弾丸を装填するタイプ。スコープの付いた長距離射撃用に見えるが、銃身と巨大な口径を見ると水平二連ショットガンの改造品だと思う。
ネットで調べると水平二連ライフルは、存在する様子だか、具体的な写真などは見つからなかった。

冬場の羽田や横田基地周辺でロケされたと思われ、主な舞台が、廃屋や空き地のゴミ捨て場などの寒気と殺伐とした風景が多くて、絶えず軍用機の騒音が鳴り響き続けて、台詞にあるどん詰まりな街感がある。

政治家の娘の吉岡まりの衣装と乗っている小洒落たクルマ(車種は不明)のカラー同じ白と緑のツートンなのが、ポップで趣味が良くて花を添えるのだが、殺伐とした街で場違いな出で立ちなので、案の定、彼女も野獣達に汚されて行くところが、もろに70年代のアクション。

ミラーズ