「キチンと創られた少女向けの怪獣映画の代表的作品と言えると思います」モスラ2 海底の大決戦 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
キチンと創られた少女向けの怪獣映画の代表的作品と言えると思います
1997年12月公開
本編監督が替わり、内容はだいぶ良くなり面白く楽しめます
監督は三好邦夫
この人は東京湾炎上を振り出しに、ずっと東宝特撮の作品にずっと関わってきた、特撮がキャリアそのものという人です
だから監督自身が楽しんで撮っているのが観ていて伝わってきます
本作が監督デビューです
でもなぜか本作のあとは何も作品の記録がありません
そこそこ本作もヒットして、第三作も作られたのです
監督としての腕前もある方と思いますから一体どうしたことなのでしょうか?
ニライカナイという沖縄の伝説の異界が大きなストーリーのベースになっています
ゴーゴは、1984年のジョー・ダンテ監督の映画「グレムリン」のギズモに似ています
ファービー人形にも似ています
でもこの人形が世界的大ブームになったのは1999年前半のこと
発売は1998年なので本作よりあとです
なのでゴーゴは恐らくギズモが由来だと思います
ゴーゴのオシッコのような液体がどんな傷も治してしまう神秘の力を持っています
正に聖水ですねww
本編監督の腕は第1作よりずっと上 で、安心して観ていられます
特撮はいつもの川北紘一で、こちらも安心して観ていられます
しかと本作では敵怪獣ダガーラが石垣島の街の中心部を破壊していくシーンもあります
小学校の校舎破壊シーンの迫真さには平成ガメラには負けんぞという意地が感じられます
デジタル合成が効果的に使用されています
潜水艦襲撃シーンのクォリティーも高いものがありました
敵怪獣のダガーラは青龍がモチーフのように思えます
もしかしたら本作の青龍が、平成ガメラ第3作の玄武と朱雀の発想のヒントだったかも知れないと思いました
ピラミッド内部の美術が素晴らしくレベルの高いクォリティーがあります
あと何気に音響が格段に良くなっています
怪獣出現に逃げ惑う女子高生はルーズソックスに厚底サンダルなのが懐かしいです
本作では主人公は少女になっていて、第1作の問題点をキチンと修正してあります
男の子達は彼女の引き立て役になっています
主人公の浦内汐里役の満島ひかりは12歳
本作がデビューでした
将来スターになるオーラをもう放っています
本作はこの彼女を観るだけで値打ちがあります
お話も殺伐すぎず、適度のユーモアもあり、ニライカナイの巨大ピラミッドの浮上シーンのスペクタクルな見せ場もしっかりあり
敵怪獣も悪賢く強いので手に汗も握ります
キチンと創られた少女向けの怪獣映画の代表的作品と言えると思います