燃えよ剣(1966)のレビュー・感想・評価
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土方歳三といえば、栗塚旭だったのです
1966年版、白黒作品
土方歳三役は本作の前年1965年のテレビドラマ版「新選組血風録」に続いて栗塚旭が演じています
原作者の司馬遼太郎からも「土方そっくりや!」と絶賛された彼の当たり役です
テレビドラマには無数に出演されていますから顔をみれば、ああ!あの人かとなります
お話は、多摩時代から、池田屋事件の直後まで
その後の激闘の数々と流転はバッサリとありません
司馬遼太郎の原作はあってなきがごとしで、佐江という女性との因縁を軸に展開されます
池田屋の決定的な情報も長州派の公家の御殿女中になっていた佐江からもたらされたことになっています
なので司馬遼太郎の原作をイメージして見始めるとかなり戸惑います
バラガキの土方歳三に比重を置きすぎの印象です
司馬遼太郎からよくクレームがでなかったものです
新選組の映画としてはあまりお勧めできません
2021年版の方が遥かに良いと思います
武州のバラガキ
Amazon Prime Videoで鑑賞。
原作は既読です。
原作の前半を脚色して映画化。
土方歳三とライバル・七里研之助の戦い、歳三を愛する佐絵とのドラマに重点を置いていたため、原作が描こうとしていた喧嘩師としての生き様や、幕末最強の武装集団をつくり上げた組織づくりの才と云う面がオミットされていました。
単なる剣豪物語みたいになっていて、別に「燃えよ剣」でなくても良かったのでは?―と思いました。
池田屋事件をクライマックスに持って来て、七里との決着や佐絵との別れを描写し、「明治はあと3年に迫っている…」とナレーションが入って、終幕―。箱館戦争までを描く後編があるのかなぁ、と思いきや、無さげです(笑)。結局のところ、何を描きたかったのかよく分かりませんでした…
土方歳三役の栗塚旭は、生涯の当たり役と云うだけあって、動きなどがとても様になっていました。実際の歳三と風貌が似ているわけではないですが、目力ハンパないし、気迫が違うのよ常人とは!―当時29歳と知ってビックリ!―僕と3つしか変わらないじゃないか!―なのにこの風格…すごい!
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