無常のレビュー・感想・評価

主役の田村亮さんが目茶苦茶に格好良い。
主人公ながら狂言回しの役割で人間性の極悪な男を演じています。

姉弟の近親相姦、姉弟による計画的な託卵結婚、仏師の妻の弟子による寝取り、そこから進んでの弟子と仏師夫婦の毎晩の同衾、義母と息子の近親相姦など背徳の性関係がこれでもかと描かれ、少なくとも３人が死んでしまいます。

主役である田村さんの姉を演じた司美智子さんは、能面のような顔で怖かった。

昔、ウルトラセブンとかでたまに変わった展開の時の監督。今だと、エヴァの庵野監督がモロに影響を受けている演出。効果的に入れれば良いけど、間違うと単なる意味不明、独りよがりになってしまう。
しかし、この映画でまともな人間は居ないなぁ。主人公は姉と近親相姦して、子供まで作るが、それを親の奉公人を騙して姉と結婚させる。修業先の親方の奥さんともやっちゃうし。姉も最初の近親相姦は一応抵抗してるけど、最初から弟を誘っている様な雰囲気出してるし、結婚後も弟と関係してる。親方の息子は主人と義母の関係を知って怒るが自分も義母とやってるし･･･。
主人公が何の罪の意識もなく行動してるのは怖いんだけど、それが画面から伝わらない。
終盤、菅井きんの出てくる場面は意味不明だった。