水俣 患者さんとその世界のレビュー・感想・評価
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非の打ち所なし。
今の自分が観ると、他のドキュメンタリーでもよく出ていらっしゃる=有名な患者さん達とそのご家族の方達なので、逆に「その方達はこういう闘争を経ていらっしゃったのか」という、なんとも胸の痛い思いがした。 公開当時の影響力を考えるとすごかっただろうなあ、と溜め息が出る。 奇病と呼ばれ、病に罹った上に、患者が差別され続ける状況は想像を絶するし、裁判で一定の判決を得るまでが、余りにも長過ぎる。 石牟礼道子さんの書いたものにも出てくるが、ご家族が口にする「部落」という言葉にも、日本の公害問題の複雑さ、差別の構造化、多重化も垣間見える。 ドキュメンタリー映画の価値という観点で、この映画は間違いなく名作だと思う。
すごい映像。厚みがあり、取材の時間を感じる。アップの子どもたちの表...
すごい映像。厚みがあり、取材の時間を感じる。アップの子どもたちの表情がいい。実は皆生き生きしてる。母の不安については、福島の母子を思い出す。男の子の笑顔があまりに可愛かった。言葉が外国語のように聞こえる。 ラスト近くの騒乱シーンがすごい。 片端という言葉が飛び交う時代
MINAMATA鑑賞後に観ました
MINAMATAがユージン・スミスを通した水俣病(とそれを取り巻く人々)を描いた作品である一方、こちらは水俣病発症後の症状や実際に患者=被害者となってしまった家族に対し、ピンポイントでスポットを当てている作品。 なお、水俣病自体については わかってるでしょ? という体で語られるので、事前知識は必要だった。 個人的に衝撃的だった内容を思いつく限り。 ①水俣病であるという認定を受けるために申請書を出すも、何度も却下にされる。何度も出してみてはと声かけする支援者に対し「これ以上手間をかけさせるのも申し訳ない」と言う家族。 ②株主総会でのリアルチッソ株式会社の面々の表情。MINAMATAでは國村隼演じる社長が多少同情と悔恨の表情を見せるも、リアルは完全に我関だった… ③ある日畑作をしてる時に突然脚が出なくなる、手の痺れを感じる→常時杖歩行が必要な状態に。 ④重度の小児麻痺より重い水俣病の重度患者の症状。 ⑤それでも我が子を愛しく思う母と父。 かなり方言が強く、頑張って聞こうとしてもわからない言葉がいくつか。字幕もないので、推測で内容を飲み込むしかない(多分敢えてだと思うが)。 100%ドキュメンタリー作品なので評価のつけようがありませんが「公害とはこんなに恐ろしいものなんだぞ」ということを知る非常に貴重な資料だと思います。
ドキュメンタリー映画
昭和45年、18年もの間“奇病”とされてきた水俣病が初めてチッソ工業相手に訴訟を起こし、メチル水銀が原因であると認められた。映像は被害者となった家族や認定患者本人に迫る。 まずは猫が狂う映像・・・これがまた水俣病とはどんなものかを端的に表現していた。患者にばかり焦点を当てると、間違われてしまうという小児マヒの症状に似ていたりするからだ。そして被害者家族や支援者たちの大きな抗議運動。当時もドキュメンタリーフィルムを見た記憶があるのだが、公害が社会問題化していた時代を生々しく思い出してしまう。
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