密約 外務省機密漏洩事件のレビュー・感想・評価
全2件を表示
もとはTVドラマなのに・・・
さすがにTVドラマとして作られただけあって画質が粗いのですが、憤りを感じてしまうほど訴えてくる作品だった。普通の法廷モノのような展開の前半から、後半には原作者と思われるジャーナリストの目線で語られる。びっくりした! “情を通じた”ことから外務省の機密文書を石山に送り続けることになった筈見。そこでは男にだまされた不幸の女を吉行が見事に演じ、同情を禁じ得ないほどだった。報道の自由、国民の知る権利を盾に一審では無罪を勝ち取った石山。裏取引という政治問題にも目を向けてほしいと願う新聞記者の勝利のように思えた。 最後にはミステリアスな証言も。もしかすると裁判が始まってから誰か陰で操ってるのではないかと疑問さえも・・・そして日本の民主主義なんてこの程度なんだと思い知らされる。 「<密約>をめぐる裁判はある一組の男女を永久に有罪として裁いただけで終わりました。しかし、いま、あなたはこの裁判によって真に裁かれるべきものが何であった---と考えるでしょうか」
いつの間にか見入っていた
何となく古めかしい映像や音楽に抵抗はあったけれど、真面目に丁寧に語られる内容に自然と引きつけられていって、終わってみると、かなり格好いい作品だったなーと思うぐらいに、見入ってしまった。 報道の自由、女性問題・夫婦の問題、歴史の暗部・・・一筋縄では行かない問題が見事に絡み合いながらも分かりやすく社会について問題提起していた印象で、かなり好感を持った。 何気に人が持つ二面性というものが分かりやすく実に見事に描かれていたなーという印象。 最初はテレビで放映したという映像は、画角は4対3ながらも、フィルム撮影のその画質はかなり鮮明で美しい。 すごくいい作品だと思います。
全2件を表示