マルサの女2のレビュー・感想・評価
全4件を表示
続編的な映画を夢見ても叶わないことが残念
テレビで観たことがあるけれど、初めて劇場で観ました。
改めて名作だと思いました。
コメディ映画としては、前作の「マルサの女」の方が完成度は高いとは思う。
この映画では、途中で主役の宮本信子さんが長時間消えてしまうし、伊丹十三監督の軽妙さが途中で薄くなってしまうのが不思議。
クライマックスも、主人公視点ではスカッとしたものがなく、消化不良で終わってしまう。
しかし、フィクションとは言え、バブル経済の最盛期に、バブルのカラクリや裏側や闇を突っ込んで描いている。また、オウム真理教の事件よりもかなり前に、宗教法人の擬似権力性と金の問題と暴力を結びつけて描いている。
現代的視点で観れば、その2つの点だけでも、映画のテーマや構造的には非常に優れていると思います。
中途半端な終わり方を考えても、伊丹十三監督は、後日に「マルサの女3」的な映画を製作して、この映画で描いた色々な社会的問題を、映画として全て回収するつもりだったように感じました。
何故にそれをしなかったのかは分からないし、結局、それを夢見ても叶わないことが非常に残念だけれども。
と言うわけで、コメディ映画として期待して観ると少し肩透かしになるけれど、時代の鏡としての視点で観ると、非常に良く出来ている名作だと思います。
かくして世に脱税のタネは尽きまじ
国税庁査察官が主人公の大ヒット脱税ハードボイルドの第二弾は、宗教法人と政治資金をテーマなのは面白いけど、その分ハードルが上がってスッキリしない終わりでした。お話しそのものはテンポよく、政治家がからんだ地上げと利権と脱税のつながりを実にうまく説明している脚本が巧みです。グロとエロ描写は監督の好みだけど、ストーリーの焦点が宗教法人を隠れみのにする脱税プランナーなんで、ハードボイルドよりもピカレスクロマン的な感じです。後半からマルサチームが大活躍するけど、巨悪は逃げ切ったみたいだし、脱税プランナーの狂気の哄笑が続くエンディングもイマイチ腹落ちしません。パート3につなげるつもりだったかもね。役者では、脱税王の三国連太郎の妖気漂う、だけど生理的にちょっと受け付けないほどの怪演ぶりでした。津川雅彦は、出番は少ないけど泣き落とし尋問術の語り口がうますぎて笑っちゃいました。
やはりいい味がある
...............................................................................................................................................
宗教団体からの莫大な資金をバックに、地上げで目茶苦茶してる三国がいた。
マルサの女宮本がソイツらを捜査するため、宗教団体に偽装入信する。
そして夜中に部屋を抜け出して秘密の入り口を発見、後日査察に入る。
確保後、取調室で取り調べていた三国がスナイパーに狙撃される。
間一髪それを救った宮本、そして三国は全てを話し始めた。
...............................................................................................................................................
女シリーズはやっぱり面白かった。
しかし伊丹監督の作品は独特の味があっていいよな。
って、おれは志村か(場)。いいよなおじさんか(場)
日本の闇の自画像
"マルサの女" シリーズ第2作。
レンタルDVDで鑑賞。
宗教法人を隠れ蓑に悪質な地上げと巧妙な脱税を働く鬼沢一家と、その裏で蠢く権力者たちに立ち向かう国税局査察部、通称マルサの活躍を描いた社会派エンターテインメント。
お馴染み「マルサカット」を振り乱しながら、板倉亮子(宮本信子)は今日も行く。あの手この手を使って大型脱税のカラクリに迫っていきました。しかし、地上げ屋と政治家が複雑に入り組んだ巨悪の全貌は、一筋縄では掴むことが出来ず…
様々な妨害と権力に阻まれ、手掛かりを掴んだと思ったら後一歩のところで参考人が消されてしまう…。当の鬼沢(三國連太郎)さえ、ヤバくなったら切り捨てられる蜥蜴の尻尾でしかなかっただなんて…。日本の闇とはあな恐ろしや!
まさかのラストに呆然。フェンス越しに地鎮祭を見ながら歯噛みする板倉の表情がなんとも言えぬ余韻でした。
※修正(2023/03/01)
全4件を表示