マルサの女のレビュー・感想・評価
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マルサの女をマルサする‼️
「タンポポ」や「スーパーの女」も捨てがたいけど、この「マルサの女」が伊丹十三監督の最高傑作でしょうね‼️国税局査察官、通称 "マルサ"。マルサこと板倉亮子は、ラブホテルなどを経営する実業家・権藤の脱税を暴くため対決する・・・‼️まず国税局査察部を映画の題材にする、その着眼点が素晴らしいですね‼️マルサ側はオカッパ頭にそばかすの宮本信子さんはじめ津川雅彦、大地康雄‼️対するは山崎努‼️権藤という役名も「天国と地獄」という黒澤明監督の傑作を思い出すと感慨深い‼️周到に準備するマルサに対し、山崎努も抜かりなく対応‼️両方ともホントに頭がいい‼️伊丹監督の取材力がハンパないですね‼️いかにもアメリカ映画が描きそうな題材を、うまく日本に舞台を移して描き、しかもアメリカ映画並みにテンポが良く軽快‼️本田俊之の音楽もミョーに耳に焼きついてます‼️権藤側の印鑑、通帳、現金の隠しっぷり、そして大地康雄が履いてる「閉じられかけのドアに挟まれても、ダンプカーに踏まれても大丈夫な靴」もホント笑える‼️二世は親を超えられないと言うけど、父・伊丹万作監督に匹敵する映画魂を持ってた伊丹十三監督でしたね‼️
楽しい時代
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山崎努が悪徳エロ社長で、ヤクザともズブズブで、脱税しまくっていた。
宮本信子は税務署員でこれを怪しいとにらんだが、結局追い詰められず完敗。
しかし働きぶりが認められてのちにマルサに栄転、そこで再び対決となる。
結局、山崎が捨てた愛人からのタレコミで物証が見つかり、ガサ入れする。
最後は決定的な物証の隠し場所を山崎がついチラ見してしまい、バレる。
本棚がどんでん返しになっていて、その裏に隠していたのだった。
山崎のガキはさすがで、学校で仲介をしては手数料を取って稼いでた。
息子の事を第一に考えて行動してくれる宮本を信用して、ついに自白。
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まず疑問に思ったのは、用心深い山崎が、書類の隠滅を愛人に頼んでる事。
飽きて愛人を捨てては、次の愛人にその業務をやらせてる。
それも朝袋に入れてゴミ出しするだけ。どう考えても危険でしょう。
シュレッダーがまだない時代?・・・だったとしてもなあ。。。
でも全体に昭和のバブリーな雰囲気が満載で、面白かった。
豪勢な反面、白黒の監視カメラや自転車に超大きい携帯電話とか、
安全靴を履いた足をドアの隙間に入れてペンチでドアチェーンを切るとか、
昭和ならではのアナログさも見えて、どこかほのぼのとしてた。
あと昭和独特の何とも言えないユーモラスな連帯感ね。
あとブスメイクの宮本の何とも言えない、飾りっ気のないかわいらしさ。
うーん、古き良き時代を偲ばずにはいられなかった作品。
そういや最近赤い車って見なくなったなあ。不景気やから?
脱税とのスリリングな対決!
"マルサの女" シリーズ第1作。
第11回日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞作。
レンタルDVDで鑑賞。
おかっぱ頭には常に寝癖、顔はソバカスだらけ。一見うだつの上がらない外見でも、不正を見抜く観察眼と摘発までの証拠固めの手腕は超一流な(金田一耕助に通ずるものがある)板倉を、伊丹十三監督の奥様・宮本信子が好演していました。
仕事への情熱は人一倍で、心の底から仕事が大好きなんだと感じました。仕事は出来る反面、息子のダイちゃんの世話は母親に任せっぱなしの様子。そのことで悩む姿も見せ、単なる仕事人間では無いキャラクター造形が巧みだと思いました。
権藤も単なる悪人じゃないところがミソ。内縁関係の女(岡田茉莉子)がいながら特殊関係人(愛人のこと)も複数人いたりと、女性関係は爛れていますが、裏社会と繋がってまで脱税を働いているその理由とは、一人息子への愛情故でした。
息子に何不自由無い生活をさせてやりたい。自分が死んだ後も困らないように、財産を遺してやりたい。なんと云う親心なのか、と…。とても人間味があるなと思いました。
子供のことで悩みを抱えている共通点から、敵対関係を超えた友情で結ばれる権藤と板倉のやり取りが沁みました。
権藤と喧嘩して家を飛び出した太郎を、ガサ入れの最中にも関わらず必死に追い掛けて慰める板倉の優しさと来たら…
脱税の手口の巧妙さに恐れ入ると共に、そこかしこに漂うバブル期の匂いを興味深く感じながら、摘発までの攻防がスリリングで終始引きつけられっぱなしでした。
[余談]
クライマックスにて、銀行支店長に吼える花村統括官(津川雅彦)が痛快だし、脱税に関わっていた議員からの圧力の電話をいなしてかわす査察部管理課長(小林桂樹)も絶品でした。
[以降の鑑賞記録]
2023/05/13:TOHOシネマズ西宮OS(午前十時の映画祭13・4K)
※修正(2023/03/01)
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