劇場公開日 1987年2月27日

「国税局査察部 VS 脱税者」マルサの女 みつまる。さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0国税局査察部 VS 脱税者

2015年4月12日
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鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

知的

今まで映画では、余り馴染みのなかった国税局査察部(通称マルサ)の活躍を描いた(脱税者でない限りは)万人が楽しめる破格のエンターテインメント作品。
個人的に伊丹十三監督の『〜の女』シリーズでは、胸のすく活劇を見ているようなストーリーの完成度やイタミイズムが浸透した細部までのこだわりに於いて、本作がベストだと思っています。
山崎努が演じる典型的な悪役ではない、魅力的なまでに屈折したキャラが瞠目の出来でした。
彼がレクチャーするお金を貯める秘訣は耳をダンボにして聞くところですね 。
目からもウロコです。
お金の魔力に取り憑かれてしまった人々の姿は滑稽そのものだが、どこか憐れみさえ感じられる。
品性のカケラもない守銭奴は、私たちのすぐ近くにも潜んでいるように思えるからだ。
税金逃れの為に、そこまでやるか❗と言うエピソードが盛りだくさん。
宮本信子や山崎努の他にも、津川雅彦、大地康雄、伊東四朗ら演技巧者たちの濃密なアンサンブルも見ていて楽しい。
サックス奏者・本多俊之によるシンプルでありながらも、流麗なサウンドのテーマ曲は、一度聞いたら忘れられないほどの印象を残しています。

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みつまる。