「着物姿ではないし、 帽子もかぶっていないし、 パッチワークのジーンズ姿だ。 そしてヘビースモーカー。 オレが知っている金田一耕助とはまるで違う。」本陣殺人事件 ドン・チャックさんの映画レビュー(感想・評価)
着物姿ではないし、 帽子もかぶっていないし、 パッチワークのジーンズ姿だ。 そしてヘビースモーカー。 オレが知っている金田一耕助とはまるで違う。
動画配信で映画「本陣殺人事件」を見た。
1975年製作/106分/日本
配給:ATG
劇場公開日:1975年9月27日
高林陽一監督脚本
横溝正史原作
中尾彬
田村高廣
水原ゆう紀
東野英心
常田富士男
横溝正史の戦後最初の長編推理作品であり、
それまで日本家屋には不向きとされていた密室殺人を初めて描いた作品として知られる。
また金田一耕助のデビュー作でもあるらしい。
横溝は本作で1948年第1回探偵作家クラブ賞を受賞したらしい。
2025年の今から77年前のこと。
予備知識なしで見始める。
まじかよ!
なんと金田一耕助は中尾彬だった。
着物姿ではないし、
帽子もかぶっていないし、
パッチワークのジーンズ姿だ。
そしてヘビースモーカー。
オレが知っている金田一耕助とはまるで違う。
磯川警部の顔に見覚えがあった。
誰だったかなあ。
ああ、東野英心だ。
昭和12年岡山県の一柳家では、
長男・賢蔵と小作農の出である久保克子の結婚式が行われていた。
二人の結婚は「家柄の違い」による周囲の大反対を押し切ったものであり、
式と披露宴は一族のうち少数の者のみが出席する内輪のものだった。
それでも賢蔵の妹・鈴子が琴を披露するなどして滞りなく午前2時前にお開きとなった。
午前4時ごろ、新郎新婦の寝屋から悲鳴と琴をかき鳴らす音が聞こえてきた。
克子の育ての親でもある叔父の久保銀造らが雨戸を壊して中に入ると、
賢蔵と克子が布団の上で血まみれになって死んでいた。
結婚初夜に新郎と新婦がそろって殺されるのかよ。
キツい映画だなあと思った。
106分の上映時間中、
中ほどまではジーンズ姿の金田一に違和感を持ちながら見ていたが、
そこからちょっと面白くなってくる。
金田一の推理によって事件は無事に解決するわけだが、
意外な犯人像と、
そんなことが犯行動機なのかと、
当時と現代の人の考え方のギャップに戸惑う。
被害者の妹までもがまた殺されてしまうのはなぜなのか、
わからなかった。
満足度は5点満点で4点☆☆☆☆です。