火垂るの墓(1988)のレビュー・感想・評価
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幼き妹節子とともに懸命に生きた記録
実は初見。なんも言えねぇ。
今年は地上波テレビでも7年ぶりに放送されたそうですが、テレビ放送では無くVODでの視聴。とはいっても、VODも、Netflixでのみ配信と、見る方法は何故か限られていますね。
タイトルの通りなんですよね。実は、見る前に色々と知識を入れてしまっていたので、各シーンの意味合いであるとかを知ったうえで見てしまったのですが、事前知識がない状態で見たと仮定した場合、理解できないシーンや、違う理解をしてしまうところはあるかもな。だから、この作品、色々言われるのかもしれないし、中々テレビ放送もされないのかも。
たぶん、登場人物に悪い人はいないんですよね。でも、悲しい結末になってしまう。もう、言葉がありません。
語り継ぐべき名作
20年ぶりだろうか、久しぶりの鑑賞だ。
数あるジブリ作品の中でも間違いなく最高峰の作品だと思う。
作画、演出、脚本、設定考証、全てが高品質だからこそ、時代を超えても胸に刺さる物がある。
前回見た時と異なり、自身の環境の変化や歴史への理解なども伴い、様々な側面から見る事が出来た。
そして言えることは、登場人物の誰1人悪くないという事。清太も節子も、彼らを結果的に追い詰めてしまったあの叔母すらも。
誰も悪くない。
方法や立場は違えど、みな懸命にあの時代を生きようとしていた。
それだけの事。
悪いのはあまりにも過酷すぎる状況であって、彼等ではない。あんな時代を再び起こしては絶対にいけない。
この記憶を風化させない為にも、語り継ぐべき作品だと思う。
ちいさいけど、日本を代表すべき作品。
大きなアラソイゴトによって
小さな人々が迷惑し混乱し無惨な状況になる。
はじめて8月15日に見ました。
子供がリビングルームでゲームに夢中になっていたので、良いタイミングだと思い隣りで本作を見ていました。
よって、子供もながら見をすることができたと思います。
ながら見だろうが、ちら見だろうが、なんだろうが、とにかく最初から最後まで見せることができて良かったです。
それに、後半は、映画に対して子供ながらのつっこみをちょこちょこ入れていましたから、それで充分です。
視聴中、戦争に関してのちょっとしたギロンにもなりました。
なぜ日本がアメリカと戦争をしたのか。
なぜとめることができなかったのか。
なぜ戦争は終わったのか。
なぜ原爆を落としたのか。などなど。
とにかく、日本にとって、子供にとって、
大切で必要なアニメ映画の一つだと思います。
厳しい、これが戦争なのか。
もう2度と観たくないかな
忘れられた子供たち
実は初見です。戦争中に孤児の兄妹が餓死した話と知っていたので、なかなか観る気になれなかったのと、タイミングが悪かったりで、毎年のようにテレビ放送していたこの作品を観るのが今になってしまいました。
すごく泣く映画と想像していましたが、それよりも苦しくなる映画でした。
おばさんの言葉は冷たく聞こえるけれど、酷い人とまでは思えなかったです。
男の子がちょっと野菜を盗む位を許さない農家の人達も、余裕が無かったんだなあと思いました。
謝ってあの家に戻った方がいいよと諭されたのにそれが出来なかった兄。彼の選択は間違っていて、どんどん窮地に追い込まれますが、親身になって心配してあげる大人が居なかったこと、それが不幸だったと思います。
戦争が引き起こした悲劇ですが、現代でもどこかにこういう子供たちがいるかもしれないと思えて、昔の話とは言い切れない気持ちになりました。
彼らの亡霊が問い掛ける
"金曜ロードショー" で5回目の鑑賞。
原作は読了済み。
本作は観る度に心が苦しくなる。今回も観ている間中、ずっと胸が締めつけられ続けた。以前は人でなしと感じていた清太と節子の親戚のおばさんの気持ちも分かるようになってしまった自分に嫌悪感を抱き、さらに苦しくなった。年齢を経ると見方が変わるのが本作が名作たる所以のひとつかもしれない。
ラストシーンは、意味を理解出来るようになって初めて心にズシンとのしかかる衝撃的なものだ。亡霊の清太と目が合い、現在の神戸を見つめる姿にハッとする。あの頃と今が地続きであることを忘れていないかと、責められているようで…
[余談]
先日、Eテレで放送されていたETV特集「火垂るの墓と高畑勲と7冊のノート」を観た。番組で触れられていた内容を踏まえての鑑賞となったため、とても有意義な時間だった。
冒頭の神戸大空襲のシーンには高畑勲監督の実体験が反映されているそうだし、原作を徹底的に分析した上で構想が練られているとのこと。より作品を味わえたと云う気がしている。
いちばん驚いたのは、高畑監督が本作を「反戦映画」の意識でつくっていなかったと云う点。監督としては、戦時下の厳しい環境で生きようとしたふたりの悲劇を描いただけである。
世に反戦を謳う作品は数あれど、いっこうに戦争が無くならないのは何故か。それは戦争状態について考えてばかりで、戦争に至るまでの道を見つめていないからではないか、と…
答えが出せない
金曜ロードショーにて鑑賞
七年ぶりの放送だそう。
二度と観たくない傑作映画 名作映画
だから本当に久しぶりに観た。
自分がもしも清太だったら?
自分がもしもおばさんだったら?
何が正解なのか、考えながら観ていた。
しかし、答えが出せない。
ただ一つ、農家のおじさん達、交番のおまわりさん、医者
おばさんより、この四人が戦犯な気がした。
何か別の方法で手を差し伸べていたら、
二人はもう少し生きられた気がする。
悲しみよりモヤモヤが止まらない。
でもきっと私もそうなんだよ。
子どもの泣き声がして、親が怒鳴る声がして、
育児ってイライラするもんだよね、怒鳴りたくなる気持ち分かる分かる。
って横を通り過ぎる。
もしかしたら、その子の泣き声、
最期のヘルプだったかもしれない。
戦後80年、7年ぶり地上波か。 スパンだけで見ると初見の人も多いか...
戦争は二の次のアニメだったとは
これ見ると戦争良くないよねって思えます
何度も観たいと思わない秀作
まずは、戦争に巻き込まれ亡くなられた方々に追悼の意を表します。
私は本作を鑑賞してから、もう四半世紀以上は経っています。
近年終戦記念のこの時期、必ず訪れる戦争映画の放映。
一度も見返したことはありません。
余りに無慈悲な現実感と戦争。
余りに純粋で無力な孤児。
至極の名作ですが、あまりにも、痛々しい。
私は多分、二度と鑑賞することは無いかもしれませんが、皆さんには必ず一度は鑑賞してほしいと思う秀作です。
人間の心を壊す戦争。
もし自分がその場にいたら、この兄弟を助けられたのだろうかと、身の回りや自分の事で精一杯で、手を差し伸べた自信が持てない、戦争と醜悪な現実感があまりに激しく心に焼き付けられた作品でした。
始めて鑑賞する方には、思いっきり泣いて、争いの悲惨さを心に刻み込み、優しい思いやりを持つキッカケを掴んでほしいと思う、個人的映画史上、最高の秀作の一つです。
この日が来ると思いだす。
居づらくなった親戚のうちを離れ、最初は楽しいままごとのような、兄妹二人だけの生活。ドロップをおいしそうになめる妹の笑顔。でも母の死を知って「なんで蛍すぐ死んでしまうん?」と涙をためて哀しげにつぶやく妹の声。そんないくつかの映像が、この日を迎えると、フラッシュバックのように思い出されて、目頭が熱くなってきます。
目頭が熱くなる理由は何なのでしょうか?
それは多分、監督自身が否定しているように「反戦の誓い」を新たにする故などではなく、はたまた原作者が忌み嫌った「かわいそうな戦争の犠牲者の物語」故でもなく、終戦という独特の雰囲気の中、両親を失ったある若くて未熟な二人の、蛍の光のようにはかない、いのちとこころの営みを写し取ったところに胸をうつ故なのかもしれません。
「葉末の一つ一つに、蛍の群がっていた、せせらぎをおおいつくす草むらの姿が、奇蹟の如く、えがかれている。ぼくの舌ったらずな説明を、描き手、監督の想像力が正しく補って、ただ呆然とするばかりであった。」(パンフレットの原作者野坂昭如氏による寄稿文より)
逡巡しながらも、原作者自身が二ヶ月あまり過ごした場所に監督やスタッフを案内し、その後作られたラフスケッチを見たあとの感想を綴った美しい文章ですが、何度かあった実写化の企画の後で、映画化に同意をする決意をした瞬間でもあったようです。
監督も原作者ももうこの世にはいませんが、作品は生き続け、毎年この日を迎えます。
天国で兄は妹にまた会えたでしょうか?私には、螢に囲まれてにこやかに笑っている二人の姿が見える気がします。
甘い、ツマラン、回りくどい。
何度見た事か
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