「「戦後の終わり」を告げるかのような作品〜ザ・ATG+三浦洋一」星空のマリオネット Haihaiさんの映画レビュー(感想・評価)
「戦後の終わり」を告げるかのような作品〜ザ・ATG+三浦洋一
1978年公開、配給・ATG
【監督】:橋浦方人
【脚本】:大和屋竺、橋浦方人
【原作】:喜多唯志〜『星空のマリオネット』
主な配役
【ヒデオ】:三浦洋一
【アケミ】:亜湖
【ヒロシ】:武井一仁
【ヒデオの父】:牟田悌三
1.泣く子も黙るATG作品(笑)
私の住んでいた地方都市では、『ブルークリスマス』と併映されていたと思う。
(うろ覚えなので、間違っていても笑って許してほしい)
◆学生運動が終焉を迎えつつあり、
◆ウーマンリブ、フリーセックス
◆神田川、同棲時代
そんな時代のATG映画。
「一億・総中流」なんて言う言葉が流行るくらいだから、時代の先端でありたい映画製作者は、
優等生か不良か、保守か革新か、純愛かエログロか、
とにかくエッジの効いた作品を作りたかったのかもしれない。
ただ、本作もアバンギャルドを気取っているが、実は保守的な青春映画といえる。
2.キャストは◎
主演は三浦洋一。
46歳という若さで亡くなったが、
本作出演時は24歳。
スクリーンで観るヒデオは、カッコよかった。
破滅型のキャラにあこがれる流れは、
三浦洋一から始まった可能性もある(笑)。
亜湖・・・寺山修司に見出された彼女は、当時20歳。
大胆なシーンも自然に演じていた。
大きなスクリーンいっぱいに映し出される濡れ場に、目のやりどころに困ったのを思い出す。
私も、若かったのです。
3.まとめ
単なる成人映画でもなく、青春群像劇でもない。
「昭和」と言えば済む、
と思っているわけではないが、
あの時代に上映されることを許された、
戦後の終わりを告げる作品のようにも感じる。
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