劇場公開日 1988年8月13日

「う~ん、あったな、こんな時期(;一_一)」ぼくらの七日間戦争 とみいじょんさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5う~ん、あったな、こんな時期(;一_一)

2024年2月15日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

単純

寝られる

懐かしい映画、何気に記憶違い。
 全員で校舎に立て篭もって、大人と闘うんじゃなかったっけ? 一部しかあっていませんでした。(^_~;

今では、極端に描いたと思われちゃうような校則違反の取り締まり。
 否否、かなり甘く描いていますよ。現実はもっとすごかった。「うなじに髪がかかったら縛りなさい」と言われて、まじめに先生の前でやっても、ふたつに分けても縛るには髪が短くて縛れない。そうしたら「3つでも、4つにでも分けて縛りなさい」だって。どんなファッションじゃ?今ならかえって前衛的なデザインになりそうだ。
 だから、登場人物の髪型がありえなくて。男子のほとんどは、問答無用に学校で教師に丸刈りにされるような髪型ばっかり。女子も「しばれ~っ!!」て言われるよね。絶対。

映画としては、立て篭もる中学生、一人一人の背景とか性格とか、なおざり。
 校則や「勉強しなさい」しか言わない大人の価値観を問答無用に押し付けられるっていうのはわかるけど、何故あのメンバーが?立て篭もり?事情は一部の生徒のさわりだけしか触れない。
 とにかく、どんちゃん騒ぎ。バブルだったなあ。如何にもあの頃のアイドルを元に行動や表情を作っているのでリアリティがなく、今見ると笑える。もっと一人一人を丁寧に描いたら見応えあるものになったろうに。

大人目線では、「こら、火気厳禁の場所で火使うな、引火するだろ」とか、そんなところに入ったら有毒ガスが充満しているかもしれないやん(最近工事で死人出ているニュースありますよね)とか、「ふざけるなあ。死んだらどうするんだぁ!」「安全確保第一!!」って、叱りたくなるけど、
 子ども目線ではとにかく痛快。こんなのやってみたかったトリック満載。
 もう、「映画の世界」ってことで楽しめばいいのでしょう。

なんかなあ、大人の描き方も雑ですね。
 味方のふりしている英語教師も、先に書いたように「立て篭もる場所選べっ!やること選べっ!」って点では、まったく根拠なく「あの子たちなら大丈夫」って、無責任極まりなし。繰り返すけど、引火して爆発したらどうするんじゃ。
 暴力教師はね。暴力は容認できないけど、今の教師であそこまで子どもに彼らなりに向き合う教員どのくらいいるんだろう。モンスターペアレントが怖くて、見ぬふりする教員やおもねる教員。どっちが本当に子どもの為になるんだろう。
 最近も、教員と親と協力して子どもを育てることが難しくなってしまいましたが、この頃からなのね。親は忙しくて、学校と塾に子どもを押しつけていれば、教育した気になるってか?教員は親のせいにしていればいいってか?

なんて、この映画を観るといろいろと考えちゃうぅ。

けれど、そんなこと考えずに、スカッとしたい時に観る映画。日本の子どもによる『エクスペンダブルズ』。
 映画の出来だけ見ると評価もっと低くしたいけど、一度くらいは話のタネに観ておいていいんじゃなかろうかと思います。
 他のレビューでも書かれておりますが、宮沢りえさんが輝いています。

原作未読。アニメ・舞台等未鑑賞。

とみいじょん