蛇姫様(1959)
劇場公開日:1959年2月25日
解説
川口松太郎・原作で、かつて東宝で衣笠貞之助監督のもとに長谷川一夫、山田五十鈴らで映画化された「蛇姫様」の再映画化。今回は「大暴れ東海道」の渡辺邦男が脚色・監督、撮影も同じく渡辺孝。
1959年製作/96分/日本
配給:大映
劇場公開日:1959年2月25日
ストーリー
城主・大久保佐渡守の病弱につけ込み烏山三万石を乗取ろうとする国家老・佐伯左衛門は、禁制の密貿易にも手を出し私腹をこやしていた。佐渡守の息女・琴姫は国入りし左衛門を難詰したか要領を得ない。佐渡守は忠臣・植原一刀斎を急行させ、姫の安泰と左衛門の陰謀探知に当らせた。四面敵の城中で、姫を慰めるのは、ひのき屋の娘・おすがと忠臣・新免重時であった。ある日、おすがは宿下りをしたが、左衛門の次男・彦次郎に狙われた。おすがの父・米五郎が止めようとすると彦次郎は米五郎を斬った。騒ぎにかけつけた、おすがの兄・千太郎は一刀斎から免許を与えられた腕前、彦次郎を斬って闇に消えた。左衛門配下の警戒網をくぐりぬけた千太郎は顔馴染みの旅役者・十蔵一座にかくまわれ、自分も十三郎と名のる旅役者となった。一座のお島は、その千太郎に好意を尽した。一方、烏山城では琴姫がいよいよ危くなり、一刀斎への連絡に走った。おすがは遂に殺された。ひのき屋は彦次郎らに火を放たれ米五郎も殺された。夢に父と妹の無残な姿を見た千太郎は、十蔵に頼んで一座とともに烏山へ向った。千太郎の水もしたたる二枚目ぶりで評判をとりつつ烏山へ入った十蔵一座は、そこで、米五郎、おすがが琴姫の手で殺されたとの噂を聞いた。機会あって城中の姫の前で踊りを舞うことができた千太郎は、姫に復讐の刃を向けようとしたが、折から入ってきた左衛門のとんだ邪魔入りで果せなかった。姫は幕命で京極寛次郎との縁談がととのい江戸へ向うことになった。千太郎もお島と姫の後を追い大久保家下屋敷で姫に近づき一念を晴らさんとした。が、このとき千太郎の目に、おすがの化身・烏蛇が映り思い止まった。姫から一部始終を聞いた千太郎は、左衛門打倒のために烏山へ戻った。そのころ烏山では左衛門一味が最後の奸計を練っていた。琴姫国入りのとき那珂川に出迎え、渡し船に仕掛けをして姫を殺そうというのである。その日が来た。しかし船頭に姿をかえて船に乗込んでいた千太郎に妨げられ姫は助かった。千太郡は、かけつけた一刀斎、重時の助けをかりて左衛門一味と戦い遂に父と妹の恨みをはらした。烏山城に平和が戻り、京極家へ興入れの琴姫を見送る、明るい千太郎とお島の姿が見られた。