「やはり勝新の存在感」兵隊やくざ 散歩男さんの映画レビュー(感想・評価)
やはり勝新の存在感
人気シリーズの第一作目。1965年増村保造監督。勝新と監督目当てで鑑賞。
満州の北の果てに駐留する関東軍。最後まで敵との戦闘シーンは無く、軍隊の中でのしごき・いじめ・体罰の嵐。その中で軍隊嫌いな二人(勝&田宮)が友情を育むというかなりな変則的戦争映画。
とにかく愛嬌たっぷりな大宮=勝新が最高。有田上等兵がそんな大宮を可愛がるのも理解できる。大暴れするのも反抗するのも筋が通っているのだ。だが半端なく暴力的な映画なのでその辺に抵抗ない人にしかオススメはできない。とにかく全編荒々しい(指のシーンとか特に)。軍隊というのはそういう暴力と不条理がまかり通っている所なのだ、というメッセージでもあろう。
インテリ上官と愛嬌豪腕コンビに友情以上な匂いも漂わせ、ラストに向かってゆく。有田上等兵のクールなナレーションも効いて映画を締めていた。
増村監督はシリーズでこれのみの監督だがバランスのとれた見事な手腕を発揮していたように思いました。
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